詩集N 受け継がれる命

仲仁へび(旧:離久)

第1話 心臓



 空が青い

 太陽がまぶしい


 当たり前の事だ


 世界は美しい

 この世界は輝いている


 この瞳に映る景色は

 こんなにも命で満ち溢れていた


 窓辺から眺める草木に花々に虫に鳥に

 何もない空気になって命が宿っているような気がするよ


(鼓動を感じるために)


(この胸に手をあてる)


 隣の人もきっと同じ

 この建物にいる人達はみんな同じ


 心臓が動いて

 血潮の流れ感じていて


 みんな みぃんな

 めいっぱいの生を尽くして

 この世界に生きているんだ


――託した 願いは 届いていますか


――願った 祈りは 聞こえていますか


――命の歴史は どこまで紡がれていくのだろう


 終わらないこの空の下

 輝いた光が声になって


 生きろ 生きろと ささやき続けている


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