　混沌をもたらす悪しき存在。

　混迷する世界を夜で包まんとする邪悪。

　それは夜の魔女。

　世界を滅ぼそうとした一人の女の物語。

　小さな村の小さな家、そこに住んでいた少女がいた。

　少女には両親はおらず、一人の妹がいるのみだった。

　けれど、少女は人間にあらず。

　夜の魔女としての本性を現し、魔物の大軍を率いて村を壊滅させた。

　魔女は精霊の森を住み家にし、光舞う美しき森を一瞬で瘴気の場所へと変えてしまう。

　そして魔女は、世に魔物を送り出し世界中の人々を襲い始めた。

　けれど、その邪悪の行為は長く続かない。

　それは人々の希望、朝の騎士。

　現れた騎士は、魔女の前に立ちふさがった。

　三日三番をかけた壮絶な戦いの末に、夜の魔女は正義の剣にかかり倒れ伏した。

　そうして夜の魔女が支配する世界は終わりを告げる。

　人々は世に長く語り継ぐ事となった。

　世界を混迷に貶めた大いなる元凶、朝の騎士に敗れし邪悪、夜の魔女の物語を。

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