レムリア・ハザード

仲仁へび(旧:離久)

本文




――この世界には神様がいない。

外宇宙から飛来した脅威シエラによって、神なき世界となったレムリアは、災いで満ちようとしていた。


――シエラに対抗せんとその世界に訪れたカティサとアインは、かつて世界を救う為に戦った勇者の一人に手を貸すが、その努力は身を結ばなかった。


――カティサ達の加護から外れてしまったとある男の魂は、過去に得た知識も力も全てなくした状態で、後の世に送り出されてしまう。


――古の時代の出来事を忘れてしまった彼に出来る事はもうない。レムリアは、シエラの手によって滅びを迎えようとしていた。






1.囚人の独白『アシュロン』

「俺は罪を犯していない」

「なのに濡れ衣を着せられて、牢屋に入れられている」

「俺には何の力もないから、おそらく一生ここから出る事ができないだろう」


2.理想少女の失敗談『リーゼ・フィゼット』

「私は罪を犯しました」

「理想の前に膝を屈して、守るべき人達を見捨てたからです」

「こんな私は、貴方と一緒になるべきではないのでしょう」


3.迷える森の試練『カルネ・コルレイト』

「私の身の回りには、私にはもったいない友人達がいます」

「頭が固くて真面目な私といても、楽しいと言ってくれるのですから」

「苦手な科目のテストを助け合ってクリアした事を、私は決して忘れません」


4.厄災のばけもの『ツヴァン』

「俺は呪いに負けたようだ」

「ばけものになってから血が欲しくて止まらなくなる」

「教師として守るべき生徒には、その欲求の矛先が向かないようにしなければならない」


5.機会を窺う復讐者『ニオ・シュタイナー』

「私の通っている学校には、大切な人を殺した仇がいる」

「大切な人の仇をとるために、あの人を殺さなくてはいけない」

「たとえ幸せになれなくても、たとえその先に地獄しか待っていなくても」


6.鬼の血を引く復讐者『ツェルト・ライダー』

「俺は家族の仇を取らなくちゃいけない」

「お母さんとお父さんを殺した憎い貴族達を、皆殺しにしなければならない」

「だからそのためなら、いくらでも道化の仮面をかぶっていられる」


7.彷徨える狂剣士『ステラ・ウティレシア』

「私は孤独だから人を殺めている」

「それぐらいであの人に必要としてもらえるなら」

「いくらでもこの剣を血で濡らしてみせよう」


8.迷宮少女は帰れない『少女』

「今日はサプライズプレゼントを買う日だから、はりきってお出かけしたのに」

「私の住んでいる町は道がとっても複雑だから、迷子になっちゃった」

「でも優しいお姉ちゃんと、面白いお兄ちゃんが助けてくれたんだよ」


9.祈りの少女と正義の少年『アリア・クーエルエルン』

「私にはどうしても許せない人がいるのに……」

「どうして大切な存在である貴方が、私の行動を止めるんですか?」

「これ以上立ちはだかるというのなら……」


10.小さな騎士と復讐鬼『ヨシュア・ウティレシア』

「たった一人の大事な姉様だから」

「たとえ間違った道を歩いていたとしても、僕が守ってあげないといけない」

「だから貴族殺しなんかに負けるもんか」


11.辺境の旅宿『ニオ』

「私には過去の記憶がないみたい」

「だけど、親切にしてくれる人達がいたから小さな村の中で楽しく過ごせていた」

「それなのに、記憶が蘇ってしまったから……」


12.ドッペルゲンガーの悪夢『ニオ・シュタイナー』

「目撃者だったあの人を殺してから逃げたつもりだったのに」

「どうして生き返って追いかけてくるのだろう」

「でもきっとこれは当然の報いで、私は今も醒めない悪夢を見ているんだ」


13.遅すぎる後悔『ライド』

「俺は大事な片割れの仇を打ったつもりだった」

「でも、今では後悔している」

「片割れはあの少女の事が好きだったのに」


14.朝未ずの世界『+++』

「世界中の人々が眠りについた」

「彼らはもう、朝日を見る事がないだろう」

「なぜなら人間達が仲間同士で殺し合っているうちに、破滅に必要なピースが全て揃ってしまったのだから」


15.湖上の決闘者『ステラ・ウティレシア』

「狂剣士の私と復讐鬼の貴方で、決着をつけようと思ったのよ」

「だって他にやることがないでしょう?」

「だって他に守りたい人なんていないでしょう?」


16.レムリアハザード『+++』

「世界は破滅した」

「人々はもう二度と、目を覚ます事はない」

「そしてその中で、一人の無力な少女だけが生き残った」


17.やがて尽きる星の願い『カティサ』

「もうこの世界に救いがないというのなら」

「せめて安らかに終われるように祈ろう」

「そして、こうあってはいけない世界に奇跡が起こる事を願おう」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る