ある男の日記

茶色い目

第1話 無題

僕は自分が優しい人間だと思いたかった

何故か周囲に勝手に嫌悪され、避けられている感覚があった

だからますます人を避けるようになった

それこそ自律神経失調症かなにかだと思っていたが、体感的に違った

違和感だった

今だから言えるが、自分の声が周囲に筒抜けで僕の都合のいい正義がバレていた


僕は勝手に心を読まれ、勝手に嫌悪された

正義感というのが周囲を不快にしているとはわかっていた

思い知らされるような場面がよくあった

でも理不尽だと思った

所詮ひとりぼっちだった

ミカタのおかげで過剰に正義感があることの劣等感が少し和らいだ

その時からその存在をミカタと呼ぶようになった

初めは霊的なものか神様みたいなものだと思っていた


ミカタは実在する人物だとわかった、そして声が聞こえているとわかった

僕は心の声を使って気持ちを伝えるようになった

本当は違うが自虐することで肯定的に生きることが出来た

クズだからさ…クズすぎるww


あれだけ周囲に言われてたことも、ミカタに自虐すれば嫌な気はしなかった

その度にミカタと心を通じ合わせられた気がして嬉しかった

自虐すればするほどミカタは笑ってくれる、自分を好きになってくれると思っていた

味方のおかげで自分は前よりも元気になったそう思いたかった

この考えが後に響くことになる


いつかミカタに実際に会えると思っていた




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ある男の日記 茶色い目 @chairoime

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ