幽霊の話は好きですか?

@polipuro

第1話 始まりの質問


私が高校生だった時だから、約30年前の話です。


 部活が休みだと友達と中学校で一緒だった友達のテルと遊んでいた。

 テルは他の高校へ進学してしまったので、部活のない放課後に地元の駅近くで遊んでいた。


 当時はカラオケに行く事が流行っていて、お金がある時はカラオケボックスへ行っていた。

 歌うのは定番の曲ばかりだったけど、テルに会える事が楽しかった。

 テルが勉強重視の自分の生活よりも羨ましく思った。

 最初に彼女が出来たのもテルだった。


 あの日も安い大盛り学生ラーメンがある店からカラオケだった。


 ラーメンを食べ終わっている友達とその友人と合流し、6人になった。

 全員が1回以上会った事がある顔見知りだった。


 普通に歩いて、ビルの間の大きな交差点を渡った。


 テルの友人が振り返って、聞いて来た。


 「今、何人とすれ違った?」


 1人は「4人でしょ」と、笑っていた。


 他の人は「5人だよね」と、言った。


 質問をしてきたテルの友人は「クラさんは何人?」と、目を見て聞いている。


 「7人だよ」


 私はモヤモヤした気分で7人いた様に見えていた事を伝えた。


 「分かっていたんですね」


 友人がそう言うと、車の音がはっきり聞こえる様な沈黙があった。

 他校に行った友達が「何を歌う?」と、言う声に沈黙が消え去った。

 それ以上の話はしなかった。



 これが自分の中に霊感がある事を知った日の話です。

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