第6掘:作戦終了 お話をしましょうか
作戦終了 お話をしましょうか
前回の盛大な過去話はどこにいったか? メタ発言? 気にするな。
逆に聞こう、君たちは自分たちの命がかかっているのに相手の盛大なお涙ちょうだい、映画張りの盛大なお話に感化されて手を止めるのかと?
なんでこんな軽いお話してるかって? 簡単さ。
「G隊は2小隊で目標を捕虜収容施設に搬送。残りは第2種警戒態勢へ移行、通常任務へ」
全目標の無力化・拘束に成功。味方に死傷者なし完勝である。
え、最初のレベル差はどこに行ったっかって? これはアレだね物事に100%はないという教訓にしよう。
まあ、事後報告になるが先ほどの戦闘状況を伝えよう。
目標の無力化までおよそ3分。
もうお湯入れて待つ手軽さですね。
第一作戦目標3名が第二目標2名をこちらに差し出したのに戸惑いはしたが、その後作戦推移は滞りなく進んだ。
第一次迎撃場所ポイントαの概要を説明しよう。
第一階層中央に位置する十字路のど真ん中である。
その地点において囮のG隊1小隊を相手進行方向の前にだし注意を引く。この時点で目標が不可解な行動により少し作戦開始が遅れる。
ある意味こちらとしては助かったのかもしれない囮部隊はそのまま第二目標2名の確保成功。
第一目標への十字路での十字砲火にハメることに成功。いや銃器はないけどね。
目標3名は十字路全方位から囲まれる形となる。
え、これどこの軍事作戦だって? ファンタジーだろ? いやいや、どこかのラノベみたいに言うことを聞くモンスターを自由に徘徊させて迎撃させるとか不効率すぎるだろ。
ま、それはともあれこの状況に陥ってようやく第一目標は自分達が陥った状況に気が付いたらしい。
「おい、こりゃ…」
「…ゴブリンにしては…カース頼めるか」
「任せろ、20秒くれ」
いやいや、もう詰んでるから。両サイドと正面をG隊3小隊が包囲、後方をS隊1小隊が塞ぐ。
が、それで終わりなわけがない。覚えていますでしょうか? スライム専用の抜け道を作ったと言っていたのは?
そうしてスライムが天井から強襲、魔術師の顔面に張り付き詠唱を中断。そのまま窒息を目的として張り付いたままにする。
「なっ!?」
「ち、カース動くな!!」
残った二人が魔術師の援護に向かえるわけもない。残り二人にもスライムが顔面に張り付く。
この作戦は掲示板で書かれた話である。
スライムの集団戦闘行動を現代化して考えるスレ part2
110 名前:名無しさん
空気読めてないと思うけどマジレスするわ。
相手の呼吸する場所埋めたらよくね?
こう上から強襲してさ、人なら大体これで無双できるんじゃね?
確実に成功させるなら、相手に天井へ意識を向けさせないように、陽動する必要あるだろうけどさ。
111 名前:名無しさん
まあ、真面目に考えるならそれが一番効率いいよな。
大体の生物は呼吸する箇所と視覚は同じ部位にあるから、それで完封できるよな。
…ん魔王って窒息でやれるなら勝てるん?
112 名前:名無しさん
いやいや、さすがにその死に方はしないだろうぜ。
なにせ魔王だ。こうブワーって魔力的ななにかでスライムを吹き飛ばしておわりだろ。
勇者とかも同じじゃね? こう勇者的なスキルで…。
113 名前:名無しさん
いわんとすることはわからんでもないが、実際いてもしらけるよな。
吹き飛ばしても、吹き飛ばせなくても。
あ、疑問が出てきたスライムって核があるタイプいるだろう、その場合どうするのが安全なんだ?
114 名前:名無しさん
その場合、呼吸器官をふさぐのにボディの大半を使って、核をこう、別箇所にコード引っ張るみたいに移動すればいいんじゃね?
相手はそれを取り除くのに夢中だろうしさ。
てな会話があったわけ、掲示板ってこわいわー。そしてスライムは使い方次第だってよくわかった。
でその結果
「がぼぼ…!!」
「…!!!」
「ごぼぼぼ…!!」
第一作戦目標はあっさり沈黙。よってこの3名も第二作戦目標へ変更。武装解除して捕獲に成功したわけだ。
みんなダンジョン運営にするようになったらスライムを便利に運用しましょう。
「これ…は?」
「エルジュ様…」
残された女性二人は何が起きているのか理解していないらしい。
さて、こちらは捕虜の到着を待つとして今回の問題点を改善しないとな。
作戦は完璧すぎた、だがこれが常時続くと思って居たら作戦が崩れた時の動揺がひどいことになる。
ずっと俺のターン!!だったしな。
別の意味でやっちまった状況だな。わざと作戦をしくじるわけにもいかないしな、ここのところは配下にしっかり言い含めておく必要があるだろう。
MAPを見ながらあれこれ考えていると、捕虜たちは収容所に移送され各小隊は通常任務に戻っている。
尚、男女分けて収容しています。女性2名は身体的ダメージがひどいので収容病棟へ移送を指示している。
いまだ回復魔術は俺しか使えないのでめんどくさい限りである。
「今回の成果でダンジョンの底上げができるといいんだがな」
そんなことを呟きつつまずは収容病棟へと足を運ぶ。
第3階層は自室とは別に色々とダンジョンを運営するうえで必要だと思える施設を多数敷設している。
(といっても現代日本に比べると部屋があるだけだがな)
結局まともにDPが稼げていないのでこの収容病棟だが簡易なベッドが置かれてるだけである。
収容所に至っては木のベッドに藁を敷き詰めているレベルである。
(気長にやるしかないよな…だってまだ9日たったぐらいだしな)
配下たちの寝床を用意してやりたいのだが、本人たちは第二階層にて自分たちの生活空間を作り上げている。
色々考えてるうちに目的の部屋の前へとたどり着く。
コンコンコンコン
と簡易にノックをする。いかに異世界であろうとこっちの矜持や習慣まで捻じ曲げるつもりはない。
いや、こっちはそっちのお約束はぶった切っていくけどな。
声は返ってこないがそのまま入室すると二人の女性がこちらを見つめている。
「…いったい、どうなっているのですか?」
「…エルジュ様…お下がりを」
これで好意的に受け止められているといえる奴はよほどノー天気だろうな、しかし話をしないと進まない。
「そうですね、とりあえずお話を聞いていただけますか?」
さて頑張りますか。
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