013
これはお互い酔ってるからこういうことになったんだと思う。本当に、まったく思考が追いつかないもの。
部屋へ入るなり、日下さんは私をぐっと引き寄せてキスをした。まだお酒の残る体は何だかほろ苦い味がする。
柔らかなキスは私を虜にさせるのには十分すぎるくらい甘く優しくて、高まる胸がきゅんと音を立てた。
キスをしながらベッドへ誘導され、そのまま倒れこむように日下さんが私に覆い被さってきた。
「日下さん」
「ん?」
「えっと、シャワーとか……」
言い終わらないうちに大きくてあたたかい手が私の頬を包む。その手が唇に触れると同時に、またキスが降ってきた。
「んっ!」
ふいに日下さんの舌が口内を舐めとり、ねっとりとした感触に一気に溺れそうになった。それは息もできないほどに深くて長い。
「んんんっ!」
苦しくてもがくとようやく唇が離れ、思わずぷはっと息が出た。
キスだけで呼吸が乱れるなんて、今日の私は何だかおかしい。
苦しさで涙目になってしまった私の目尻を、日下さんは目ざとく見つけて丁寧に親指で拭き取った。
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