さくらの色

カナタハジメ

「さくらの色」

ヒラリひらり。桜の花びらが風に吹かれ儚くもちっていく。でも、儚く悲しい、寂しいくなるはずなのにそれを見て綺麗だと思ってしまう。矛盾していると思わないか?どうして、可哀想だな~、寂しそうだな~と、思っているのにそれを真逆の感情あるいは無感情で見て見ぬ振りができる?答えは簡単…


自分には関係ないからだ。


人は第三者として物事が見れる。確かにこれは人類の素晴らしい一面だとも言える。だけど…実際はそうだろうか。この第三者の目線から見た受け取り方とやられている側もしくはやっている側、つまり第三者から見られている側の受け取りたは果たして一緒であると言えるか。俺はこう思う。たとえ、相手のことを考えれて理解出来たとしても自分でなければ無意識下で捉え方の深刻さが減少する。つまりだ、第三者と見られている側の受け取り方はたとえ同じように見えても食い違いがおきるものなのだ。


この作文は中二の夏の課題である自由作文の一部だ。要するにこの時、痛い俺を100出していたと言うことだ。気にしないで欲しい…と、言うか読まないで欲しい。


でもだ、今は違う。あの一時の迷いが導いた作文はもう書かない。何とも理屈が通らないく、くだらない屁理屈作文などもう書かない。なぜらなら俺はもう受験生だからだ!そんなことにうつつを抜かす訳にはいかない!!ここではやりとげれなかった友達作り…だからこそ!!俺は決めたのだ。ここの奴らが行けないほどの進学校に行き友達作りを成功させる…つまり、高校デビュー俺の夢を成し遂げるために勉強を頑張ると!!!

みんなは言う(俺は聞いていただけだが…)口を揃えて言うのだ。「最後の学年楽しむぞ!」だの「このみんなとの青春を満喫するぞ!」などと言っている下等なホモ・サピエンスどもとは俺は違うのだ!!(友達がいないから大口を叩けるだけだが)

それはさて置いて俺は今日も難関だと言われる高校を目指してひた走る。そのかいあってか今では偏差値65を超えた。だけど…まだ足りないと俺は俺の心に言い聞かせる。


「行ってきます」


俺は、右肩に参考書なので重くなった鞄を背負いながら左手で単語帳を開き家を出る。家を出ると目の前にある小道を通る。そもそも今日は始業式、つまり俺が最高学年である中学三年生になったと証明される日である。でも、俺にはそれは通過点でしかない。だから正直今日は行きたくなかった。なぜなら、勉強がしたいからだ。でも、俺はこれが見たいから今日は学校へ行く。


俺は単語帳から目を離し上を見上げる。


小道を抜けた先には土手が広がっている。俺が見上げた理由はその上に咲いている桜だ。その桜は、快晴の空を背景に桃色と白色で咲き誇る花びらがある。その時、少し強めの風が吹いた。その風に花びらが散らされ風の波にのる。吹かれた花びらが俺の単語帳に一枚ヒラリとのっかた。俺は、その花びらを手のひらにのせもう一度桜の木を見る。そもそも何故この桜を見るために学校に行くかは俺のばーちゃんが俺の年のころ俺のじーちゃんと植えた桜だから。ばーちゃんは俺の父と母の代わりにこの年まで育ててくれた。じーちゃんは俺が小2の時に亡くなって俺は今でも笑みを浮かべながら亡くなったじーちゃんの顔を覚えている。それからはばーちゃんが俺を一人で育てくれた。たまに、おばさんも世話親居てくれていた。そんな毎日を送っていると当然ながら俺は俺の両親について気になった。でも、ばーちゃんもおばさんも答えてはくれなかった。それ以降はばーちゃんとの衝突が多くなった。そんな中、俺は「ごめん」も言えずにばーちゃんは中一の春先に亡くなった。今でも俺の心の傷なのだ。不謹慎だが、ばーちゃんがもし病気で亡くなったのなら今ではいい思い出としてばーちゃんとの思い出を思い出していただろう。でも、ばーちゃんの死因は交通事故。だから、俺も割り切れなかった。辛かった。でも、今は少し楽だ。なぜなら、ばーちゃんの葬式の夜、ばーちゃんが描いた俺宛の手紙をおばさんから渡されたからだ。手紙は、俺が両親について聞いた日に書いたそうだ。手紙にはこう書かれていた。



愛しき孫へ


この手紙を読んでるてことは、ばーちゃんに何かあったのかな?考えるだけで恐ろ


しいけど…。突然これを書いた理由はねばーちゃん、お前さんが両親の質問をまじ


めにきいてきたからだよ。私も歳が歳だからさ…あっ、お前さんに私の言葉を残さ


んといかんて、思ってね書いています。先に言うけど、私の口からは死んでもお前さ


んの親の話をする気はないよ。だけどね、どうーしても知りたくなったらおばさんに


聞きなさい、答えてくれると思うから。ばーちゃんねずっと考えていたんだ、お前さ


んに何か残せないかな~て。でね、思いついたんだよ残すもの。この手紙の封筒に


地図入れておくから見ていらっしゃい、お前さんの助けになることをばーちゃんは


望んでるよ。




と、言う内容だった。そして、地図に入っていた場所がこの桜だ。俺は手紙を読んでから親のことを知ろうとは思わなかった。ばーちゃんがそうさせたのか…もしくはこの桜がそうさせたのか…まぁ、今はどうでもいい。


ばーちゃん行ってきます。


俺はぼそりとつぶやいて、手のひらにある花びらをフッと息を吹きかけ飛ばした。


その時だ、俺を引き止めるかのようにさらに強い風が吹き荒れた。先っきの数倍もの花びらが空を舞う。一瞬にして俺の視界は真っピンクと化した。その時、クスクスと笑う女性の声が聞こえた。


「君、大丈夫?」


視界が晴れた時、声の主の姿が見えた。茶色いブレザーにグレーぽいスカート、首あたりにある赤いリボンがよく目立つ制服を着た綺麗な長い髪を持ちながらも顔がと思っている……すなわち、すごく綺麗な人が俺を見て笑っていた。俺はついつい頬をほのかに赤くする。


「おーい、大丈夫?」


女の人は俺に近ずき右手を俺の目の前で振りながら俺の返答を待っている。


ぼっちで陰キャの俺が一目惚れした瞬間である。


「本当に大丈夫?」


「はぁい!!」


俺はついつい「は」のアクセントが強すぎで「あ」という母音が出るほどの高い返事を返した。案の定、女の人は苦笑いをしている。恥ずかし。

ここで俺はふと気づく。女の人の服は確か、俺が目標としている学校の制服だ。綺麗に着こなしてはいるがまだサイズが少しあっていない気がする…さしずめ新1年生、つまり今日は入学式のはずだ。時間帯的には…7時40分…ギリギリだな…(俺も人のこと言えないが)どうしたんだろう?

俺は恐る恐る聞いてみる事にした。


「あの…失礼だと思いますけど…多分、入学式ですよね?」


俺の質問に女の人はさっきとは違う苦笑いをした。これがざらに言う「顔に出てる人」と言うやつだろう。


「あははは……なんでだろうね?…あっそう言う君は?」


「俺はそこの学校なんで」


俺は土手からひょっこりと顔を見せる学校を指さした。


「あ……で、でも…もう8時だよ」


女の人は時計を見てどこか漬け込むところはないかと言う勢いで言葉にしてくる。


「始まるの8時30半からなんで間に合います」


(嘘である。ここから土手を渡るのに40分はかかる)


「それより、大丈夫なんですか?」


「何が?」


「入学式」


女の人は体をピクリとさせ聞かれたくないことをよくも聞いてくれたと言う顔でこちらを見てくる。視線が痛い。


「おい、生意気な君、名前は?」


初対面で図星を疲れたからと言って生意気呼ばわりされてしまった。まぁ、可愛いのでこれこれでありだと何故か思ってしまう。


「俺は、碧山英あおやますぐるです、彼女はいません」


「私は倉崎咲良くらさきさくら、彼氏はいません…て、最後の何?勢いで言っちゃたけど…」


「とくに意味はありません」


俺は、後始末がめんどうだと思いとくに意味を見出さないことを心に決めた。


「それで咲良さん、入学式ですよね、大丈夫なんですか?」


また、咲良さんは俺に苦笑いを見せる。(どさくさに紛れて下の名前呼びで少し俺の胸はざわついていた)


「あ……じゃあさ、英君はさ…もし自分が見えている世界と他の人が見ている世界が違ったらどう思う?」


俺は、何を言ってるか分からなかった。だから空も桜も綺麗だがここのいる2人の空気は重く暗く感じられる。俺はわかっていた。言葉を選ばなくていけないと、でもわかっていたけれど俺はあえて選ばなかった。俺が俺であるために、変わると決めた俺であるために。


「知りません」


「へ?」


当然、咲良さんは首をかしげあっけに取られた顔をしている。


「知りませんよ、そんなこと…分かりませんし…俺、そんな状況になったことないですし…どーでもいいと言うか…」


咲良さんは笑いだした。何かが吹き飛んでいくみたいに。


「確かにそうだね、じゃさ、英君、この桜て何色?」


咲良さんは、土手の桜に指さして俺に聞いてきた。また質問の意味が分からなくて沈黙が続く。でも、さっきのような重たさは暗さはない。


「白でもピンクでもありますね」


「へーそーなんだ…」


咲良さんは少し俯いて何かを語るぞと言う顔を俺に見せてきた。


「その話、長くなりますか?」


「え?多分?」


「じゃあ、歩きながらでいいですか?」


俺はついつい、学校の時間も考えてしまったのである。


しばらく、歩くと咲良さんは口を開けた。


「私ね…色覚異常を持っていてね…この世界、全部色がない世界?らしい」


「らしい?」


「うん、そう、だって考えてみて、生まれてこの方ずっとこの色の世界に私はいるからさ突然あなたの見えている色が違いますて言われても納得する?」


「しないですね」


「でしょ!そうなんだよ…」


咲良さんは暗い顔を浮かべる。


「どうかしましたか?」


「英君はさ、何とも思わないの?私の事…」


「可愛いです」


「あ、そういうことじゃなくて…こんなみんなとは違う人がいたら気持ち悪いとか思わないの?」


「うん~とくに、別に俺には害はないですし…それに…俺から見れば咲良さんの可愛い個性の1つだと思いますし…」


咲良さんはまた俯いた。


「君、本当に生意気!私が1人で悩んでいたのがバカバカしいく思えくる」


「でも、やっぱり思う人も居るとは思います…だけどそれはその時に考えればいいと思います…」


俺は、駅の看板の前で微笑みなが咲良さんに言った。


「うん…そうだね」


「はい」


その時、咲良さんはもの言いたそうな顔で俺を見つめてくる。


「どうしました?」


「駅…違うんだけど…」


ここからはもう記憶にない。カッコつけておいて…本当に死にそうだ。


・・・・・・・


「おはようございます」


先生と挨拶を交わす。咲良さんとはあの後別れて遅刻して学校にたどり着いた。


「おはようございます?じゃあありません!!」


「なんですか、翔子しょうこ先生」


俺は嫌がるようにグビをすくめて嫌味たらしく言う。


「遅刻ですよ、」


「はい、知っています」


「………」


無言とは強烈に怖いものである。そう思った。案の定、翔子先生は鬼瓦のような顔でこちらを見てくる。でも、こんな先生でも感謝している。ぼっちになった俺を差別もせず、かと言って特別視もしなかった、俺を含めてみんなを公平に見てくれているいい先生、小林翔子こばやししょうこ先生。俺はこの人に色々と救われた。


「どうかしましたか?」


「いえ、何でも、それより先生早く行きましょ!!」


「それは私のセリフのような気がしますが」


口が裂けても俺は先生に救われたなどと本人には言わない。恥ずかしいからだ。


「それよりも、碧山君どうして遅れたのですか?」


「恋です」


俺は真顔かつ淡白に答えた。要するに、問答無用の即答だ。そしたらだ、翔子先生はアホみたいにほのぼのした顔で俺を見つめてきた。そして、右手を俺の頭の上におき撫でてきた。


「恋ですか~そうですか~あの碧山君が~……一目惚れてやつですね~現実にそんなに簡単に恋に落ちる子が碧山君か~可愛ですね~ピュアですね~」


「俺は、一目惚れなんて一言も言ってませんけど!?」


「いや~それよりも若いていいですね………先生なんて………先生……なんて…」


自爆。あ、さっきはあんなにカッコイイ凄い先生だと胸をはったが人は人なのだ。完璧などはいない。だから先生、俺は今では心の底から先生をもらってくれる人といち早く出会えることを願っています。


「碧山君……」


先生は涙目でウルウルと見つめてくる。


「俺はもらいませんからね」


「そうじゃありません!!先生はそこまで落ちぶれてません!!」


「そうですね…俺、先生のそういうところとか凄く好きですよ」


先生は、ハットして顔を赤く染める。


「あれ?先生?落ちぶれてるんじゃあないですか~?」


俺はからかうようにニマニマして先生に言った。そしたら先生は俯き、低い声すなわち怖い声がきこえてきた。


「碧山君、後で職員室来なさい…お話しましょうか…」


「あ、はい…」


やり過ぎだったかな…。この後、始業式が終わったあと職員室に行き、説教2時間と作文用紙8枚を渡された。

でもね先生、俺さ多分…先生が先生じゃ無かったら惚れてますよ。


・・・・・・・


「ただいま帰りました」


「あ、お帰り英、ご飯できてるから食べといて!!私今からちょっと行かなくちゃ!」


「行ってらっしゃい!佐代さよさん!」


「行ってきます!」


そう言って出ていったのは俺を面倒をみてくれている叔母さん、碧山佐代あおやまさよさん。ちなみに俺の碧山もばーちゃんの苗字。

俺は1人、作られたご飯を食べる。こんな時、ご飯が冷たかったらもっといい孤独を演出できるのに…悔しことに心を暖かくするほどにホカホカで美味し…。

その時、ふいに三者面談のプリントを配布されていたことを思い出した。俺はふと嫌な予感がした。提出日に提出できるのかどうか。なぜ心配かて言うと、佐代さんはどこぞのおデカい大学病院の医者をしている。昨日ようやく夜勤明けで家に帰ってきたのに…さっきのあれは多分、急患の連絡だと思う。ブラックだね~と思った。だからこそだろう俺はそんな佐代さんを心から信頼している。しかも実質ばぁーちゃんが死んでから親代わりしてくれてるのは佐代さんだし。


「まぁいっか」


俺はそうつぶやきテレビをつけた。その時ださっきみたいにテレビをつけるみたく簡単にフラッシュバックがおきた。


「反省文……まぁいっか」


俺はモクモクとご飯を食べて布団に入った。


ピロン


携帯から高い音の電子音…つまり、通知音だ。俺はふと思う。罠だと。俺はここでみんなに問いたいと思います。さぁ、問題です。午後九時過ぎもうそろそろ寝ようかなと思ったときに何かの通知が来た。さて、何の通知でしょうか。答えは簡単だ。ゲームのログインボーナスだ。考えてみてくれ、上記の事からうかがえる俺の状況は二つある。まず一つ目、俺は佐代さんと二人暮らしだが今は急患で病院に向かっている。二つ目だ…つまるところ俺はぼっちだ。よって導かれた解は…ゲームの通知音。

悲しような。


だから、俺は軽い気持ちで携帯を見た。だが、これがこれからの俺の運命を変える出来事だとこの時の俺には想像も……


:英君へ

 明日のお昼休み話したいことがあるので屋上に来てくれませんか?

 私待ってますね

                       赤阪舞あかさかまい



ついてしまった。


「あ…もう眠い…寝よ」


赤阪舞彩…こいつの話をするには少し前に戻らなくちゃいけない。


6年生の春ごろだ彼女は一人教室の端っこの席で読書していた。その頃の俺はクラスのリーダ的な存在でそれはブイブイ言わせていた。だから、俺は無神経だったのだ。俺はそんな彼女に聞いてしまった。


「なんで、本なんか読んでんだ?もっとこう…友達と遊ばないのか?」


「…友達いない…」


俺はやめておくべきだった。


「そうなのか?」


「うん」


ここからだ、すべてが狂ったのは。


「…そうか…だったら…俺がお前の友達になってやるよ!」


「本当に?」


「あぁ…本当だ」


「うん」


あぁあ、終わってしまった。俺も彼女も全部。


もう一度言おう。俺はクラスのリーダー的存在だった。言いたいことがわかるだろう。クラスで一番輝いた奴がクラスで一番地味な奴がつるんだら、周りの奴らはどのように感じるだろう。答えはただ一つ、‘‘なにあいつ‘‘だから、彼女はいじめられた。ただそれだけだ。しかも、それに俺が気が付いたのは秋すぎの修学旅行の最終日彼女は池に突き落とされた。そして、俺はクラスを崩壊させた。


そして、俺は一人になった。


でも、後悔はない。あの時、赤阪舞は光を見つけたように笑った。だから、俺は嬉しかった。自分が何者かになれたような気がして。



・・・・・・・


「で、なんだ?」


俺は、昼休み屋上に行った。


「いや…ねぇ~」


「いや、わからんよ」


赤阪舞彩は驚いた顔で見つめてくる。


「あ、告白はお断りだからな、俺には好きにな人がいる」


「ち、違う!!」


「じゃあ、何?」


彼女は、やっぱ告白か?て聞きたくなるようなモジモジ度でこちらを見つめてくる。


「高校…どこ、受験するの?」


「え。それだけ?」


「それだけだけど」


俺は鼻で笑った。


「どうして笑う!!」


「いや、それ教室で聞けばいいのに」


「いや、だって…」


「やっぱ告白だろ」


「だから違う!!」


彼女はムスッとした顔でこっちを見た。


まぁでもどうしてここまでしたか、俺はわかっている。赤阪舞彩はトラウマなのだ。なぜなら、今は昔と違い俺と彼女は逆の立場となったのだ。彼女はあれから、すくすくと成長した。身長は160前後、スタイルはシュッとしている、髪は茶色がかったショート。まさしく明るい系のマドンナキャラてやつだ。中学になりクラスの9割が転校したからだろう、この小中一貫のここで地位をグンと上げることが出来たのは。まぁ俺は、どん底だが…

俺は大きくため息をついて覚悟を決めた顔で言った。


「…群青ヶ丘高校」


「ぐ、群青て…あの?」


「あぁ、あの群青だ」


群青ヶ丘高校…偏差値72越えの超難関校。俺は、ここまで高いとこに行かなくちゃいけないのだ。俺はあの日、桜の木の下で誓ったから…


俺は思い出す。俺の原点、カッコよく言えばオリジンてやつだ。


ばぁーちゃんの桜の木の下、小学校の卒業式当日、俺は一人の中学生に出会った。


その前に、なぜ俺が卒業式当日に桜の木の下にいたかというと、卒業式の前日にばぁーちゃんが亡くなったのだ。生憎なこと、俺は今じゃ学校一の腫れ物…かまってくれるのは…翔子先生ぐらいだった。だから、俺はサボることにした。別に、俺は学校が嫌だった訳では無い。この顔を見られたくなかった。この泣き面をそれだけ…いい理由見つけてこれだけのことで卒業式をすっぽかした。


「なぁ……ばぁーちゃん…俺…どうしたらいいかな……」


俺は、返ってくるはずもない返事を求めて桜の木にもたれながら問いかけた。


「なぁ…ばぁーちゃん…俺さ、今日卒業式なんだ…すっぽかしてるけどさ…翔子先生に怒られるかな?」


俺は、口をしゅぼめて眉間にシワを作りこらえる。腹のそこが熱く感じてくる。熱がどんどんと胸にもつたわり、やがて全身につたわった。込み上げてくるものが溢れ出しそうになった瞬間、俺の後ろから大きな鳴き声が聞こえて来た。俺は、その一瞬で体を巡った熱は冷めた。俺はふと俺の後ろつまり俺が持たれている木の後ろから聞こえて来た泣き声の正体を見てみる。そこには、俺と同じように木にもたれながら泣いている多分セーラー服来てるから歳上かな?顔は見えないけど多分綺麗なお姉ちゃんがいた。


「どうして泣いているんですか?」


その問いかけでお姉ちゃんは俺の存在を認識した。だが、俺の顔を見たらまた顔をふせ大声で泣き始めた。その時、俺はあたふたしてしまった。だって、俺の顔みて大泣きし始めただろ、でも俺はそんなことより 「あ、メガネかけてる」 とか 「やっぱり可愛い…」 とか、思って以下にも小6男児が考えそうなことを考えていた。だからかな、無意識に


「可愛い」


て、言ってしまったのは…。無意識怖いな…。案の定、ひかれた。涙もひいた。そして、彼女の低い声が響いた。


「何?」


怖かった。小便ちびりそうなくらい怖かった。そしたら、お姉ちゃんは笑いだした。さっきの涙はどこ行った?て感じで。


「ごめんごめん、ありがとね!でもさ…小学生に慰められるとか少し落ち込むな…私ほんとだめだ…」


え…冗談でホットしたけど…自分で自分を苦しめ初めて…かわいいけど…もしかして…この人危ないひと?


「ねぇ」


「は、はい!!」


「どうして怯えてるのさ」


お、お姉ちゃんが危ない人の部類に属するかもしれないかもしれないからだ!とは口が裂けても言えない。でも…かわいいな…


「はぁ…ねぇ君…私の少し聞いてくれる?」


「はなし?」


「うん…私ね…学校でいじめられてるんだ…気持ち悪いって」


「可愛いのに」


「少し黙ろうか」


俺はこれほど恐ろしく感じる女性の声を聴いたことが無い。昔も今も。


「でね…そうだな…あ、じゃあさ君これが何色?」


お姉ちゃんはばーちゃんの桜の木を指してそう言った。


「…ピンク?…いや!白か?…うん……桜の色を言葉で表すのは難しいな…」


お姉ちゃんは肩を落とした。


「君は本当に話を折るね」


「はい、かわいいです」


「…疲れた…はぁ…私にはねそれが…桜が何色かわからない…」


「それがどうしたんですか?」


「…桜だけじゃない…この世界そのものの色が私にはわからない…だから必然的にみんなと違って私は一人になる…生まれ付き孤独の子てやつだね」


お姉ちゃんは笑った。でも違う。偽りの笑顔。ほほが目が引きつってる。


俺は無意識だった。俺はお姉ちゃんを抱きしめた。


「え」


なぜ、俺はこの時こうしたのだろうか…じーちゃんにも佐代さんにもそれこそばーちゃんにもしてもらったことないこと。俺の考えにも無かったこと。どうして俺はこの時こうしたのだろうか…。でも、ひとつだけわかることはある。今はそんなことよりも…


「そんな作り物は…偽物じゃだめだ…いつか後悔しちゃう…俺もそれで気づけなかった…全部失った…から…偽物とかできないことをみえはったりしたら…いつか自分も周りも壊しちゃう…」


「…君」


「はい…」


「小学生だよね」


「はい」


「どんな人生送ってるんだよ…言いたくなる…私は我慢した…うん、我慢した」


「それほどでも」


「いや、ほめてないから」


お姉ちゃんの顔が少し晴れた気がした。


「うん…そうだね…ありがとう…君の言う通りだね…でもね、わかっていても…間違えちゃんだよ…」


「だから…俺は決めたんです」


「決めた?」


「はい!!俺のことを何も言えないくらい…この頭で頂点とって、何も言わせないくらいすごい奴になるって!!」


「…いいねそれ…」


「だからさ!お姉ちゃんもやってみませんか?見えてるものが違うからなんだ!!それがどうした!!て、言って見えてるやつより私すごいってやってみたいと思いませんか?」


「…最後のは偉そうすぎるけど…かっこいいねそういうの」


「まぁ…お姉ちゃんの頭のいいかはわからないけど…」


「喧嘩売ってる?」


「いいえ!!じゃあ…」


俺は握りこぶしを突き出した。


「そうだね…」


お姉ちゃんは手を握って俺の握りこぶしにあてた。


「「約束」」




「おーい…聞いてる?英君!!」


「なんだ告白の覚悟決まったか?よし、こい!!赤坂!!どんと受け止めてふってやる」


「ひど」


「おい、その顔やめろ…俺が悪もになりだろ」


「それより…群青か~私も目指そうかな…」


「無理だろ」


「怒るよ…」


一つ謝ろう…これで二回目だこんなに怖い女性の声を聴くのは。


「あ、そういえば翔子先生探してたよ」


「……」


「何かしたの?」


「ノーコメントで…でも赤坂…俺の進路とか高校一緒にしようとするとか…本当に俺のこと好きだな」


「かってに言ってろ」


口調が女の子じゃない…て言いたい!!!でも我慢する。


「じゃあ、私行くね」


「おう」


俺は、扉に向かう赤坂舞を見て思った。よかったて、あんなに元気でいてくれると俺があんな風になったかいがある。


「英君!!!」


「なんだ?」


「本当は君のことが大好き!!!」


「…っ///」


「うっそ!!!じゃあね!!!」


本当に元気でよろいいこと。



・・・・・・・



「はぁー」


手をコップみたいに手を重ね息を吹きかけた。吹きかけた息は白く暖かった。


時が流れるのは早いものだ。季節は春が終わり夏も秋も通り過ぎ冬。12月初めだ。今日は、最後の進路懇談で早帰りしている。まぁ俺は群青高校を受けるから関係がないが…そんなことより今は桜の木が心配だ。昨日はすごい嵐が来たから折れてないか心配だ。て思っていたんだけど…


「お前…本当に強いな…愛のカタチてか…て、冷たっ!!」


それはそうだ手袋なしで木に触ったんだから。


「つめっ!!」


俺と同じように声が張った女の人の声が聞こえてきた。


「運命だ」


「英君は本当に好きだね」


咲良さんがいた。


「勉強進んでる?」


「まぁ…それなりには…」


「数学頑張ろうね」


「はい…」


夏あたりだっただろうか…俺は咲良さんが群青の生徒だと知り勉強を教えてもらうようになった。本当にこうしてるとかわいい女性なのに勉強教えるときなると…


「…S……」


「何?」


「い、いいやなんでも…」


「あ、そう?」


「はい」


あっぶな。


「でもさ、英君はどうして群青をご志望で?」


「それは…笑いません?」


「うん笑わないよ」


「約束したんです…この桜の前で…」


「約束か…いいね」


「だから、何としても目指します!!!」


「3年は長いよね…顔も人も変わるから…」


「それがどうしたんですか?」


「だから勉強がんばらなきゃ!!てことだよ…よし!今から図書館で勉強ね、行くよ!!!」


「はい!」


て、勉強となんの因果関係が?


「あ、うちの従妹も群青受けるんだって」


「へー従妹さん…俺とための…群青受ける…」


物語とは裏切らないものだね…本当に泣きそう。


「てっ、英君!?」


「そーだよ~舞ちゃん、英君だよ~なんで知ってるの?」


「知ってるも何も英君は……同じ学校の友達…」


だから、お前それは友達て言う間じゃあないだろ。


「へーよかったね、英君」


「何がですか…というか英君渋滞がすごいんですが…」


「あ、そうだね…じゃあ今からスー君ていうね」


「すー…君…」


「さすがに…さく姉…それは…」


「いい」


「いいの!?」


「やった!」


俺は…俺は…すごくうれしい!!!!スー君…長かった…ここまで来るのに…やった!やった!!!


「じゃ、始めましょうか」


「あのちょっと待ってもらってもいいですか?」


「なに?」


「赤坂…行けるんですか?」


「失礼な」


赤坂は睨めつけてきた。


「それは多分行けるんじゃないかな~」


「その心は?」


「スー君…君より舞ちゃんの方が数学の点数がはるかに高い」


俺は膝から崩れ落ちた。思い描いていたより現実ははるかに厳しかった。つらい…


「つらい…」


「失礼な!!」


それから…地獄のS先生の勉強は5時間にもわたる長期戦となった。


「死ぬ…」


「右に同じく…」


「じゃあ、私バイトあるから…行くね、二人とも遅くなりすぎないようにね~」


咲良さんはハイテンションで図書館を出て行った。


「まさか…赤坂と咲良さんがね…」


「何か…さく姉みたくかわいくはありませんよーだ」


「いや、お前も同じくらいかわいいけどな」


「え」


しまった。不覚だ。


「帰るか」


「あ、うん」


俺たちは、図書館をでた。


「暗っ!!」


「まぁ…冬だしね…」


なんだ!!おい!!赤坂!!その態度だけはやめてくれ!!前みたく突っ込んでくれ…もう!!


「ねぇ…」


ま、ま、ま、まさか本当の…


「告白!?」


「ふぇ?ち、ち、違う!!」


俺はホッとしてしまった。でも、次の言葉で俺の心を冷やした。


「そ、卒業式……」


言いたいことはわかる。一緒の俺たちの失敗やトラウマのポイントだもんな。


「…赤坂はどうしたい?」


「私は…英君と出たい」


「そうか、じゃあ…出るか卒業式」


彼女は、どこか不安げな様子を顔に浮かべた。


「どうした」


「いや、私はさ…多分、英君に依存してるよね…」


息が詰まった。ふざける暇など与えてはくれなかった。俺は、触れたくなかったのだ。だって、ここに触れてしまったら俺たちは多分、気を使いあって今までのように適切な距離感で友達が出来なくなってしまう。そう思った。


「そんなことないよ」


「でも…」


「そんなことない!!」


俺はあの時みたいに少し感情のコントロールがずれた。つまり、怒鳴ってしまったのだ。その時だ、赤阪は自分の両手で自分を抱きしめしゃがみこんだ。息を荒立てて、瞳孔を大きく開けていた。それに小声で「ごめんなさい」と言い続けていた。


「あ、…ごめん…俺…本当に…ごめん…」


俺は後ろに姿勢を崩した。分かっていたはずだ。だって彼女こうしてしてしまったのは俺だから…正真正銘この俺だから…怖い、もう嫌だ。聞きたくない…知りたくない。

俺は逃げるようにその場から立ち去った。おびえてしまった赤阪を一人残して。


・・・・・・・


俺は一人玄関に立ち腐った。


「英、なにしてるの」


「ごめんなさい」


「英?」


「ごめんなさい…」


「……どうしたの英」


佐代さんは暖かい顔で俺を見つめた。罪悪感が俺を押しつぶした。俺が悪いのに、あいつを赤坂舞という人間を変えたのは俺なのに…全部…全部!!


「落ち着いなさい」


佐代さんの声がゼロ距離で聞こえた。俺は抱きしめられていた。どうやら俺は呼吸を荒げていた。


「ゆっくり息を吸って…はいて…落ち着いた?」


「はい…」


「話してみて…英…」


「…俺が…俺が悪いんです…」


涙が止まらなかった。言葉に言い表すこともできないこの気持ちがどんどんとあふれてきて…怖くて…


「向き合いなさい」


佐代さんの言葉が心の中にスッと入りこんだ。


「逃げちゃダメだよ英」


「………」


「逃げちゃったら後悔する…私は英に何があったかは知らない…けどね…何かから逃げてきたことはわかる…だってさ英…修学旅行帰ってきたとき今と同じように泣いて苦しんでいた…でもね、英…笑ってたんだよ、後悔はしてない…俺が正しいことをしたって…確かにやり方はあれだったけど…英は名誉ある涙を流してた…でも今自分がどんな顔してるかわかる?死んでるよ、母さん…ばーちゃんが亡くなった時と一緒の顔してる…知りたくないって…怖いって…受け入れたくないって…」


俺を抱きしめてる手がどんどん強くなっていくのを感じた。


「…佐代さん苦しい」


別にこのもやもやが晴れたわけじゃない…別に俺があいつに何かできると思ったわけじゃない…でも…でも…これは…このままじゃいないとそう思っただけだった。


「ちょっと行ってきます」


「あらそう…案外早かったね…行ってらっしゃい」


俺は、さっきの場所へ赤坂舞の場所へ足を向け走り出した。



・・・・・・・


俺は赤坂と別れた場所にたどり着き周りを見渡した。そこには赤坂舞の姿は見えなかった。だけど…


「やっほ~スー君…少し話そうか…」


「……咲良さん…」


俺たちは近くにある公園まで歩いた。その公園のベンチに寝ている赤坂舞が目に入った。


「ねぇ…どうしてさ、舞ちゃんがあーなってるの?」


「俺が…俺が悪いんです…怒鳴てしまって…」


「どうして怒鳴ったの?」


「怖くて…知りたくなくて…いや…知らない振りがもうできなくなると……俺のわがままがもたらした結果…です」


「君はさ…優しいね…」


一瞬、頭が真っ白になった。


「私さ…君に初めて会った時さ…なんだこの生意気なガキとか思っていてさ…でも君と話しているうちにさ…私が思ってることがちっぽけに感じてきて…頑張ってみよって思ってさ…今こうして群青高校…舞台に立てた…だからわかる…舞ちゃんのためなんでしょ」


「………」


俺はのどに何か詰められたみたい何も言えない。咲良さんは悩んでいる顔をしている。


「あ、空色」


「空色?」


「そう!君の色が空色!!!」


「ちょっと何を言ってるかわからないですが…」


「君の色だよ!!!君の!!あーすっきりした!!ようやく色が分かった!!」


咲良さんは満面の笑みを浮かべて子供のようにはしゃいでいる。


「ふぅー。じゃあさ私行くね!!舞ちゃんを任したぞスー君」


「へ?」


「あ、あと今日一日見ててさわかったんだけど…多分舞ちゃんはどちらかというと依存とは言えないかな!!」


「それは!どういうことですか!」


少し離れたところまで去ってしまった咲良さんに届けるように声を張り上げた…これから何をすべきかわかる気がしたから。


「それは…自分で考えな…少年」


咲良さんはどや顔して去っていった。


「依存じゃないって…」


俺はモンモンしたまま赤坂が寝ているベンチに向かい赤坂の頭の横に座った。

にしても…赤坂…顔整ってて…


「可愛いな」


「ぐぅ」


赤坂はむせた。


「起きてるだろ」


「起きてないよ」


よくみんながやる声を変えて誤魔化すて言うベタなことをしている。


「全然起きてないよ」


「いや、だから起きてるだろ…逆にそっちの方が恥ずかしくないか?」


「確かに」


そう言って赤坂は体を起こした。俺は少しニヤついた。


「何?」


「起きてんじゃん」


「あっ…だって英君が悪いんじゃん!!だって急に可愛いとか言ってくるから…」


可愛い?……あっ!あああああぁ!!!無意識怖っ!!

気まずい空気が流れる。


「「あ、あの!」」


綺麗に声がハモった。少し気持ち良かった。


「なんだ?赤坂」


「いや…英君こそ…」


「……ごめんな」


「ごめん?」


赤坂は不思議そうにこちらを見つめてきた。


「さっき…怒鳴っちゃて…」


「あ、あー忘れて…ゴホン!いや、全然!!いいよ!いいよ!」


「忘れて?はぁ?忘れてたの!?」


「ふぇ!?い、い、いや、思い出したから…うん、全然許す」


「なんで忘れてんだよ…」


「いや~さく姉との会話が色々ありすぎて…なんか忘れてた!」


「おい…」


俺は何悩んでたんだて思ってしまう程に落ち込んだ。


「じゃあさ、私が言いたいことを言うね」


「おう」


赤坂はベンチの上に正座して俺の目を真っ直ぐに見て話始めた。


「私さ、少し怖かったんだ…もしこの気持ちが英君に対しての依存だったらて…だってこれがもし依存だったら私の一方的な気持ちに英君を振り回してるんじゃて、だから、この話を持ちかけて…英君から離れようとした…英君のため…私のために…でも、君が帰ったあと残ったの喪失感からくる感情じゃあなかった…これが何かわからなかった…けどね英君さく姉と話してわかったんだ…この気持ちは失った悲しみじゃあなくて…君ともう今までのようにふざけて楽しんでいられなくなる…その事への悲しみ…私は君を失ったことに対して悲しいじゃあなくて…君との日々が失うのが悲しかった…」


赤坂はグッと俺に近づき息がかかるくらいの距離まで近づいてさっきよりもっと奥…俺の心の中を見てくるように見つめ少し恥じらいをもった声で語りかけてきた。


「私は…英君…君を…心の奥底から愛しています」


俺は、一瞬にして思考が止まった。


「………うわぁぁぁ!!!」


「うえぇ!!!」


俺は後ろに行き良いよく飛び走り出した。


「どうして逃げるのーー!!!」


うわぁぁ!!お前が可愛すぎるからだろ!!!


佐代さん、ばぁーちゃん…これは逃げていいよね。


・・・・・・・


「意気地無し、弱虫、ウジムシ」


「すいません…」


てかウジムシて何?なぜウジムシ出てきた?


説明しよう。あの後、突然のガチ告白に俺はビビり逃げ出した。それが咲良さんにばれて…今図書室で正座させられている。ちなみに赤坂はそれを横から見ていた。


「どうして逃げるかな?」


「いや……」


「うちの可愛い従妹ちゃんが勇気出したんだよ!?」


「それは……」


「なに?」


3回目!!人生で3回目!!こんなん怖い女の人の声聞きたくない!!!!


「はぁ………まぁ、とりあえず…おめでとう、2人とも!ようこそ群青ヶ丘高校へ!!」


「ありがとうございます」


「ありがとうさく姉」


そう、俺たちは晴れて群青ヶ丘高校に入学することができた。まぁ、全てが解決した訳じゃあない…でも、俺の中では大きな壁を超えれたとそう思う。だから、俺は今を楽しもうと思う…この関係がいつまで続くかは分からないけど…続いている間は何も考えず楽しみたい…そう思っている。



だが、俺は知らなかったのだ…高校生…ホームルームの時間…自己紹介を失敗したらどうなるかと言うことを。
















 







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

さくらの色 カナタハジメ @kanatahazime

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ