愛死てる
カキピー
第1話 崩壊
これは、僕がまだ大学一年生の話だ。
僕の名前は蓮。今僕は、友達の愛といる。先に言うが、彼女ではない。
「ねぇ、この後どうする?」と、突然聞いてきた。
「この後ってただ帰るだけだろ」僕たちは、今帰る途中だった。彼女とは保育所のころからの知り合いで、所謂腐れ縁というやつだ。こいつは、何事にも気楽に考え、どんな時も笑顔を絶やさないやつだ。まぁ、実際、自分が見てるときであって、家にいるときは、どう過ごしているのだろう、と考えたこともあるが、考えてしまうと、好きなのか、変態なのか、と言われる可能性があるので、極力考えないようにしている。
「えぇ、でも大学生は暇な時間がめっちゃ増えるし、その暇つぶしはしたいじゃん」
「まぁ、確かに今までと違って、自由時間がいらないと言えるほど暇になったが、だからと言って、金使いすぎたら、貧乏生活に直行しちまうだろ」と、僕は返した。当たり前だ、ただ用もないのに、ショッピングモールに行くと、衝動買いで必要以上に金を使うのと同じだ、と僕は考えている。
「あ、じゃあショッピングモールに行かない?」と、言ってきた。なにこいつ、僕の考えていることわかるの?エスパーかよ。と内心驚いた。
「いや、遠慮しとくわ。無駄な金使いたくないし。てか、行って何するんだよ」
「そりゃあ、ゲーセン行ったり、映画見たり、ご飯食べたりに決まってるじゃない」
だろうと思った。ショッピングモールに行く学生とかは、そのあたりに金をつぎ込むしかないからである。小物を買ったりもする人もいると思うが、それは女子だけで行ったときか、おしゃれ好きな人だけだ。ちなみに僕は、おしゃれに関しては、結構疎いほうで、何を買えばいいのかなど全然わかんない。
「よし分かった、じゃんけんで決めよう。お前が勝ったら、ショッピングモールに行ってやる。だが、僕が勝ったら、家に帰らせてくれ」と、交渉した。
「いいよ、絶対勝つから」と、返答されて、僕たちはじゃんけんをした。
――ショッピングモール――
「ねぇねぇ、最初どこ行く?」
どうしてこうなった。僕は勝つ気でいたが、なぜか負けてしまった。不正とかは一切なかったが、なんか腑に落ちない勝負だった。だが、負けは負けだ。気にしていても仕方がなかった。
「別に、どこでもいいよ」と、返した。
「ああ、そうやって返すのはダメなんだよ。優柔不断な人は嫌われちゃうんだよ」と、なぜか注意された。いや、本当にどこでもいいんだが、というより、僕は致し方なしについてきただけだ。誰に何と言われようと僕に非はない。
「それじゃあ、フードコートで」と、可もなく不可もないであろう返答をした。
「オッケー、じゃあ、フードコートへ行こう!」と、なぜか元気に先陣を切って行った。ただ、フードコートへ行くのに元気になるのは些か不思議でたまらない。
――ゴゴゴゴゴゴゴ
すると、突如として大きな地震が起きた。
「うわああ」
「きゃああ」など、ここにいる人たちは全員慌てふためいていた。当たり前だ。今まで感じたことない地震だった。それと同時に、僕は嫌な予感がした。しばらくしてその予感は的中した。
ガラガラと、上からコンクリートが降ってくる。それと同時に屋上パーキングに置いてある車も落ちてきた。僕は咄嗟に愛の体を庇うようにしていた。
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