第64話 襲撃
タオル担当が後ろから抱きつき、口をおさえる。
そしてスタンガン担当が気絶させ、ロープ担当が手足を縛り、4人で担いでキジマの待つワンボックスの後ろから乗り込み、調べておいたルートで田圃の中にポツンとあるラブホに連れ込む。
そして順番に楽しんで、それを撮影し後々も脅しのネタにして楽しませてもらう。何度もやった手順だった。
その予定だった。
タオル男が後ろから女の口をおさえると、女はその腕を取り、タオル男の足を踏みつける。
「痛え」
痛みでちからが抜けたタオル男は、女に投げ飛ばされる。側まで来ていたスタンガン男は、投げ飛ばされた男の足に顔が当たり、怯んで動きが止まる。
女はスタンガン男に向き直ると、スタンガンを持っている手を取り、腕を巻き上げる。
「痛っ」
おもわずスタンガンが手から離れる、そのスタンガンを蹴り跳ばし、そのまま男を投げ飛ばす。
ロープ男ともうひとりは唖然としてその出来事を見ていたが、女がふらついているのを見て、本来の目的を思いだし、ロープの端と端を互いに持ち女を縛ろうと襲いかかる。
女はふらついていたのは、マフラーが邪魔で息がしづらかったからだ。だからマフラーをとると、直ぐに立て直して構えた。
「はあっ」
気合いとともに女の前蹴りが2発出る。その2発は男達の鳩尾にそれぞれにヒットすると、それぞれ腹をおさえてうずくまる。
スタンガン男がいち早く回復し、女の後ろから羽交い締めにして抑え込む。
「てめえ、よくもやってくれたな。ただじゃすませねぇからな、ボロボロにしてやるぜ」
「どうする気」
「ああ、
「……言質とりました」
女がそう言うと、四方の暗闇から4人の男が飛び出し、女を襲った暴漢達を次々と取り押さえる。
女を羽交い締めにしている男だけが残されると、また別の男がひとり出てくる。
「どうする、自分でやるか」
なんの事か分からず混乱している男を無視して、女が男の足を踵で踏み、怯んだ隙に取られた腕を力づくで剥がし、肘で男の脇腹を打つ。
「ぎゃあああ」
痛みで転がっている男を尻目に、暗闇から来た男が手錠を取り出し、女に渡す。
女は転がっている男の手をとり手錠をかける。
「集団暴行の現行犯で逮捕する」
「午後11時07分だよ」
手錠を渡した男が、そうつけ加えた。
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