「どないしよかと思ってた時におばさんに偶然会ってん」


「へーそれで?」


「雪乃のこと聞いたら雪乃も今付き合ってる彼氏おらへんって言うてたから、これはチャンスやなと思うて」


「チャンスって結婚の?」


「ああそうや。なぁ雪乃俺と結婚せえへん?」


つつしんでお断りします」


「えっなんでや!」



それをお前丈一郎が言うんか!

過去に丈一郎が私にしたこと、すっかり忘れてしもたんか?

私は丈一郎のせいで傷ついた言うのに・・・。



「もしかして好きな男でもおるんか?」



そう言う問題ちゃうわ!



「おらんよ・・・でも丈一郎と結婚なんてせえへんから」


「おらへんねんやったら、俺でええやろ?顔もそないに悪ない思うし、雪乃俺のなにがアカンねん?」



顔ね・・・カッコイイで丈一郎♪なんて私が言うとでも思ってるんか?丈一郎は・・・。


なにがって自分の胸に手ー当てて聞け!!



「顔のことなんか言うてへんやろ。丈一郎が昔、私にしたこと忘れてへんから・・・」


「俺が昔、雪乃になんかしたんか?」


「それすら覚えてへんねんやったら、もう話すことなんてないわ」



そして私は部屋を出ようとふすまに手を掛けた。



「雪乃」



そして私はなぜか丈一郎に後ろから抱きしめられていた・・・。




「ちょっ・・・丈一郎なにしてるん?離してや!」




「嫌や・・・離したら雪乃俺から逃げるやろ?」



うん全力で逃げるで?当たり前やんか!



「・・・丈一郎いつも女にこんなことしてるんか?たいした男やなアンタは・・・」


「アホかそんな訳ないやろ?俺は雪乃のことが・・・」



ん?私のことがなんやって?




「なんなん?丈一郎、はっきり言ってくれんと全然わからんねんけど」



「じゃあはっきり言うから、耳かっぽじって聞いてや雪乃」



「わかった・・・」

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