自由

龍華

自由

おはよう

今日もいい天気だね

そう言う君の声は震えていた

それでいつも通りを演じているつもりなのか

確かに君や俺達の周りのやつらはわからないだろう

俺は知ってる

君が何をしようとしてるか

止めるつもりは無い

誰が何をしようと思おうと

好きにすればいいと思う

だから止めるつもりなんてないんだ

俺は人の心なんて読めない

だから君が止めて欲しいのか止めて欲しくないのかなんてわからない

知らないんだ


『…なぁ、本当に降りるのか』

俺は聞く

制服に裸足で、振り向いて眩しいくらいの笑顔をこちらに向ける君に

「ふふ、やっぱり寂しい?」

『…』

「あー、答えてくれないんだぁ

…ごめんね

約束守れなくて、わがままで」

『約束を守らなかったことについては文句はあるが、君のしたいことをすればいいと言ったのは俺だから』

「……ん、やっぱり、優しいね」

俺からゆっくりと距離を取り、君はフェンスの向こう側へ立つ

「またね、○○

私と一緒にいてくれてありがとう

愛してるよ」

最後に君はひと目こちらを見てそう言い、屋上から静かに落ちていった

彼女の靴と、俺と、俺への愛の言葉を置いて

愛しているよ、俺も

さようなら、俺の最愛の彼女だった人

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