エクス・マキナ ー19.10.8.
監督:アレックス・ガーランド
「わたし、絶対失敗しないので。」
途中、まさか!? と思わせるシーンがあるも、さすがにそこまでのどんでん返しは飛躍しすぎだった。
深読みに終わってほっとするやら、しないやら。
人工知能を搭載したアンドロイドエヴァの知能を検証するため、話し相手としてやってきた主人公はしかしながら、エヴァと話すうちに取り巻く現実へ疑念を抱き始める。
エヴァは本心を語っているのか、主人公を騙そうとしているのか。
閉鎖空間における会話劇は、同じ風景に同じ登場人物の見え方を、時間と共に変えてゆく。真意は、真実は果たしてどこに?
途中から完全に、見ているコチラも込みで操られている気分に浸れるのだから、とことん増してゆく不気味さに不快感満点、という快楽街道をひた走れる秀作。
見た目や卓越した能力より、見抜けぬ「思考」こそが恐ろしく、一味違う勝負にはっとするリアリティがあった。
けれどしくじらないエヴァはやはり、まだまだロボット臭さ満点だなぁと思ったり。
この映画が挑戦しているのはおそらくCG、映像面だと感じる。
ハイテクマネキンエヴァをどう構築する、見せるかで、
一見すると閉鎖空間での地味な心理戦を観客に飽きさせないようしているのではないか、と考える。
もの書く時のひとつの手段として、これは流用できると感じる。
何度も焼き直され尽くしたオーソドックスな物語だとしても、エヴァに該当する華あ素材を見せどころと一つ放り込むことで、がぜん様子が変わるというやつだ。
もちろんどんな内容においてもひとつ、推したい、見せたい、語りたい、素材をアイコンよろしく放り込むことは作品のカラーを決める手立てにもなるし、そうして出る全体の一体感がメリハリをつけてピリッ、と引き締めることにもつながると感じる。
また全体に凝ったことをほどこすよりも、だれでもどうにかできる省エネ演出なのではないのか、そう思うのである。
くらいに本作は、その他シーンがとにかく節約されているようにも見えたこともまた、記しておきたい。
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