ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 破 Q ー20.5.5.
監督:庵野秀明
「不協和音、極まれり。」
You tube無料公開にて、全てのコンテンツにおいて初めてヱヴァンゲリヲンを見る。
庵野作品はほかに「シンゴジラ」「キューティーハニー」を観る。好感を持てた双方に比べ、もともと興味がわかなかったせいか、それとも長い4部作の冒頭だからか、やはりあまりのめり込むことはできなかった。
今のところ闇雲なシト襲来の不条理に「進撃の巨人」の原型を見る。その謎の解明と、おかげで戦うハメになった主人公の内的葛藤。この乖離した2パートがつながってゆくところにおそらく今後、見どころが用意されているように感じた。
いずれにせよ、各パートを個々に見るととてもよく出来ていて、作家性も立っていて面白い。だが、合わさったとき相乗効果を発揮しない分裂加減が独特過ぎてわたしにはあわなかった。
自分探しの物語であると世間的には聞くが、演じきれない役割にもかかわらずそれこそがあなただ、と言われた時、捨てたとしてさらなる「自分」は見つけ出せるのか。探す以前、「捨てる」ことへの葛藤に重きがおかれているように、早計ながらも「序」からテーマとして感じ取る。
残りの視聴はまた気が向いたときに。
ということで残る「破」「Q」も鑑賞。
三作中もっとも面白味があったのは「Q」だったか。
おそらくテレビアニメ、コミック、前回の映画と何度か焼き直されている中、聞きかじる限りこのシリーズが一番、マイルド、中庸な路線なのではないかと感じている。
どのキャラクターがどうの、という分析にどこか無意味さを感じるのは前回の通りで、全体から感じてしまうのは終わりなく続き続けるWEB小説にも似た、計画性はあるのだろうけど明確なラストがないまま書き始めてしまった、ある種の行き当たりばったり感だろう。
何がスゴイかといえば、しかしながらプロのレベルを徹頭徹尾、貫き通した力業のような気がしている。
いや、そういう印象を抱いてしまっただけで、作品がそうに違いない、とは言っていないよ。
てなわけで結局、「序」「破」「Q」「シン」と見てしまった。
作家、庵野さんは尊敬するけれど、
作品自体はしかしながら好みではなかったというのが、本音だ。
食わず嫌いではないので間違いなく。
この間、N.riverという性別不明なペンネームをあえてつけた中学2年の時すでに、
今でいうジェンダー問題に引っかかりがあったからかと気づくことで、
今、何かと騒がれるソレに興味がわかない理由を探り当てた。
同じようにエヴァの世界はすでに自分の中で済んだこと、当然のもの、
今さら取り立てて刮目するほどでもないものだと、二十五年前から感じている。
すなわち当然ながら興味を持てない物は深堀りしようとさえ思えず、
作品テーマはやはり、自身と一心同体なモノにならざるを得ないことを実感する。
小手先、雰囲気ではなく、内臓ガン見せ調な庵野さんのやり方は特に。
だからつくることは世界を知ると同時に、自分を知ることなのだろうなと。
そんな庵野さんがエヴァを卒業したということは、
次なる新しい世界を見つけ、そこに立つ見知らぬ新しい自分の探求にシフトした、
ということを表しているのだろうとも考える。
だから実写押しなのだろうしね。
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