KUBO クボ 二本の弦の秘密 ー21.2.3.
監督:トラビス・ナイト
「間違った日本でも、初めて良いと思えた。」
CGで何でもデキルこのご時世に、あえてストップモーションアニメか。
思えど、この精密さはコンピュータがあってこそのものと分かる。
ほどに、かつてのコマ撮り人形アニメを想像してはいけない作品だった。
途中、フルCGと見分けがつかなくなるモノ凄さ。
映り込む全てのデザインも丁寧かつ魅力的でスキがない。
そうして描かれる世界は「日本」らしい。
が、いや、そりゃおかしい、
と、西洋人ならではのありがちな混同、誤解も多々見受けられる。
(中国、韓国がごちゃまぜとか。平安か江戸か不明、とか。仕草、リアクション、生活様式が西洋風だとか。でも、かなり勉強されたんだろうなぁという東洋へのリスペクトは非常に感じる)
しかしこの完成度の前では、そんなことなど気にならないのだ。
変だ、しかしこれはそんな世界なのだ。
仕上がっている、とはまさにこういうことを言うのだろう。
納得させられてしまうほどの、作品だった。
物語はティーン向けにも感じるドキドキとわくわくと少しの怖さが、
スリルで貫かれている冒険ものだ。
その躍動感と展開のダイナミックさには自由奔放、という言葉がぴったりはまる。
目にも心にも、浸れる贅沢な時間が過ごせる1本だった。
個人的には、月から来たおば様たちがカッコよすぎて痺れましたよ。
このエセ東洋もシンエヴァで述べた「歪さ」のひとつであり、
歪がひとつの様式と昇華した例だと思われる。
ゆえの唯一無二、はやはり強い。
こういう独自性、オリジナリティーに憧れる。
パクリのようで、歪ゆえに合わせるため試行錯誤で練られた整合性に、思想やセンス、主義主張の存在を感じ取れてならない。
美しき違和感、最高。
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