何も無くなった僕とその後

@takataka23

なにもなくなった僕に残ったもの

僕、時枝銀次には生まれてからずっと幼馴染がいた伊藤すずといった僕の幼馴染にしては勿体ないほどの高スペック容姿も勉強も運動も全て出来た完璧と言ってもいいほどの女の子だ

すずは小中高と全てクラスのトップカーストでいつもワイワイと楽しそうに過ごしていた別にその中に混じりたいとか付き合いたいとか思ったことは僕にはなかった僕はずっとバスケをしていて県の代表に選ばれるくらいの実力があったこの場合有名になるんじゃないかと思うかもしれないが別にそんなことは無い人気なわけでもなく簡単に言えば普通のクラスの陽キャでもなく陰キャでも無いみたいな存在の人間それが僕だ。今日も練習をして学校を出ようと校門を出るそうすると


「銀次!一緒に帰ろ!」


そう言ってすずが手を振ってくるすずの周りにいた男子や女子はコイツ誰だみたいな目をするが


「わかった帰ろっか」


そう言って学校から3キロほど離れた家に向かって歩いて帰る何故自転車やバスを使わないのかと言うとそっちの方が体にいいし運動になるからだ


「銀次最近どう?勝てそう次の試合?」


そうすずは聞いてくる僕は


「んっ多分」


「試合には出るんだよね!応援行こっかな」


「いや別に来なくていいよ、そっちもいろいろと忙しかったりするだろうし彼氏にも悪いし」



そう言うとすずは少し居心地の悪そうな顔をして下を向きながら


「うっうんそうだね」


と呟いたそうすずには彼氏がいるという噂で聞いてみても同じ様な返事をされただけだっただからあまり近づかないようにして学校でも喋らず中学の時のように一緒に出かけることもなくなった誘われても僕が彼氏に悪いからと断るばかりだでもこの話題に一度なると凄く気まずい雰囲気が流れるため毎回僕は話をかえているようにしている


「そういえば昨日のテレビ面白かったよな!」


というような感じで話しかけて家に帰るまで続くといった感じで毎日が過ぎていた

そして大会が終わり3年生の春になると見事バスケで全国大会3位にまでくいこみそこまでのチームを支えたとして僕にはアメリカの学校でバスケをしないかという話が来ていたもちろん夢でもあったアメリカへのバスケに挑戦できる機会でもあり僕は二つ返事でそれを承諾しとても急ではあったが1週間後にに地元を離れアメリカの地へと旅立つことになったその事を皆に伝えると

「お前すげぇながんばれよ!」

「プロになったら飯奢れよなぁ!」

「またどこかで一緒にバスケしような」

と皆が皆祝福してくれたしかしすずにはおめでとうの一言しかいわれずその後も避けられたりしたそしてアメリカに旅立つ日空港で父と母そしてすずとすずの両親に迎えられながら日本を出ることになったすずは泣いていた僕は

「すずもがんばれよ!また会う時には僕も元気な姿見せるからすずも見せてな!あと彼氏と仲良くするんやで!」

そう言うとすずはこれ以上無いくらいに泣いて結局それ以降喋れずにずっとすずは泣いていてそのまま飛行機に乗り僕はアメリカに旅立った


しかし1年後にアメリカに飛行機にのって会いに来ようとしてた両親が墜落事故でなくなったもうやめようとおもったがバスケをして天国にいる両親に聞かせてやろうと頑張ると決めた

そして2年たって立ち直り成長した僕はアメリカでも有数の選手になっていった時大学のファンから

「ギンジー!!!」

とほっぺにキスをされた事があったそんな経験がない僕からしたらこれがアメリカかととても驚いたのを覚えているしかしそんなプロへの道を順調に進んで行った時に足首の筋肉をやってしまい全治2年でしかももう走れるようになることは無いといわれプロへの道に絶望して日本へと帰った


久しぶりの自分の家に凄く懐かしさを覚えたそしてその台所にはとても綺麗になったすずがいた


「おかえり銀次」


そう言ってどう声をかけたらいいのか分からなさそうな顔をしているすずがいた自分が同じ立場なら僕もどう声をかけたらいいのか分からないと思うその時の僕は


「うん」


と言ってただいまとは言わずに自分の部屋にこもったそれからお風呂とトイレ以外には部屋から出ない生活が続きもう2ヶ月経とうとしていたそろそろかなと自分でも思い生きていても仕方がないという気持ちが強くなり自殺をしようと思い自殺をしようとしたそんな時


『銀次!!!!!ダメ!!』


そう言ってすずが腰にまとわりついて止めてきた


「なんだよ!もう僕にはなにもないんだよこれから迷惑ばっかりかけて何も出来ない人生嫌なんだ生きる理由もなにもないんだよ!!」


すずにこんなに叫んだのは初めてかもしれないそう思ったすずもびっくりして震えながらでも決してその手を離さなかったそして離さずに泣きながら


「私が銀次の理由になっちゃダメですか!」


そう叫んだ僕には何を言っているのかわからず思わず手を止めたしがみついているすずは今も震えながら泣いている


「でもお前彼氏がいただろ?」


そう優しく声をかけたするとすずは少しずつこれまでの事を話し始めた本当は誰とも付き合ってなくて銀次に聞かれた時に恥ずかしくなっていると答えてしまったことそれが恥ずかしくなってずっと違うと言えなかった事本当は小学生の時から大好きだった事それに本当はアメリカに行って欲しくなかった事なども伝えられた


「すずはそれでいいのか?こんな何も無くなった僕だけど」


「昔から銀次のいい所は私だけが知ってる!少し離れちゃったけどこれからは銀次の次の生きる理由に私がなる!」


そう言ってぐしゃぐしゃになった顔で震えた声で宣言したその声と顔を見て僕はあの日言えなかった事言葉を言おう


「ただいま!すず」


「おかえり!銀次!今日から私の事ずっと見ててね」


何も無くなった僕にも人生なにがあるか分からないものだ今ではこんなに幸せな日々が続いているし隣にはこんなに可愛くて優しい奥さんがいるし今では生意気な事を言ってくる息子と娘もいる!あの頃の僕には考えられないような日々が今も続いている



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