6月13日 カリモーチョ
カリモーチョ。
スペイン発祥のワインのコーラ割り、らしい。
深夜四時、飲みかけのコーラに飽きて、何かないものかと冷蔵庫を漁って一分。
安アパートの冷蔵庫なんてたかが知れてる。作り置きのパックで寿司詰め状態のそれらを見送って、辛うじて可能性があった風味付け目的の安価な赤ワインに目を付けた。
ワインのコーラ割り。私の好きなカクテルはロングアイランドアイスティーだ、それも確かコーラと酒とレモン入れればまあ美味かっただろう。適当に「ワイン コーラ」と検索をかけた。何も無くても、まあゲテモノとは言い難いのだから、味の所感は聞けるとは思った。
それがカリモーチョ、と言うらしい。夏によく冷やすと格別に美味な、ラテン人の飲み物。光に翳してみれば、コーラの褐色がワインの赤と混じって、少し血色が良いように見える。ガーネットの宝石に見える。スペインはガーネットの原産地で有名で、それが人々の心を刺激するのだろうか。
そんなことは知らないが。
ついで今調べたが、ガーネットの有名な原産地はボヘミアらしい。しかし実質岩なんてどこにでもあるから、スペインも実質原産地か。
言われた通りに、1:1の割合で混ぜて、それを口に含む。味は、あまり美味しくない。方や24時間経過しようとしていたコーラ、方や安価な赤ワインだからだろう。そりゃあ舌に渋みが実体を持っても致し方ない。
付け合せで飲む酒、つまりカクテル系やチューハイ以外が苦手なのだ。何かを見て摘みを摘むより、夜明けに薄らぼんやり窓の外を見ながら、味のついた酒を飲むのが丁度いい。酔いが回って不束でも、雲は動いて車も走り回るのだ。
それがどうにか、ここで生きてる実感はある。摘みと向かい合わせて、知り合いから押し付けられた白酒を飲むのは悪くない。ただ酒に頼ると逃げ癖がつきそうで、最近は飲まなくなった。
今だって逃げてばかりだが、不束な脳でどうやって逃げるのか。その道の先が自分には見えない。それが嫌なので、そんな飲み方が好きなのだろう。
一杯を早めのペースで飲み干して、その倍の量で水を飲む。まだ酔いは回ってないが、恐らくこれからだろう。
二日酔いが知れるが、味噌汁を事前に作っただけ良いとしよう。
明日は部屋の掃除をしてから、人に大切な物を送る準備をする。
日記を書くのを面倒くさがりそうなので、この日記で今日の分は終わりにしよう。
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