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 二学期も中頃、紗凪が何か隠していることに気付いた僕は、紗凪の親友であるあかりちゃんや、その他の一年生に聞き込みをした。

 色んな意味で怯えられながらも聞き込みを継続した結果、わかったことが一つある。最近の紗凪の怪我の原因は、カラスにあるということ。


 何を隠そう。烏丸愛からすまあい、紗凪のクラスメイトによるものだと。


 聞き込みによると、カラスが紗凪にちょっかいを出し始めたのは二学期が始まってからだ。それまでは存在すらないかのような扱いだったらしい。それはそれで中々にあれだけれど。

 噂によると、前髪を切り冗談抜きで可愛く変身した紗凪にちらほらと友達が増えたり、男子の目線もそれなりに浴びはじめたりと、つまりは、少し目立ちはじめたわけで。それを面白く思わない女番長の烏丸愛に目をつけられたと。


 体育の授業でもペアを無理に組まされ、転倒させられたらしい。見る人が見れば、完全にわざとだとわかると。しかし、何故そんなイジメまがいなことがまかり通るのか。

 そう、カラスの親はPTA役員なのだ。先生は勿論、クラスの皆も、助けたくても助けられないみたいだ。あかりちゃんはそれでも紗凪を庇い、少しずつクラスでの肩身が狭くなっている。


 男子は何をしているんだ。情けない。

 しかし、そんな男子の中に、一人だけ紗凪を庇う奴がいると聞いた。


 黒神黒斗という男子だ。

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