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「返品だ!」
「嫌だよ兄ィ! せ、せっかく届いたのに返しちゃうなんて、は、は、配達してくれたっ、ひ、人に悪いよ!」
と、まぁ、結局ネットでいいから服を買わせたのだけれど、届いた品物がカオスだったわけで。またパパさんシャツの色違い入ってるし。
……何を隠そう、僕の妹だ。
鸞子のやつ、買い物行って手ぶらで帰ってくるわ、紗凪の真相を確かめて来ないわ、どういうことなのだ。けしからん、けしからんぞ。
パパさんシャツ、どーすんだよ、もう……
「兄ィ、もうすぐお祭り、だね」
「そうだな」
「でね!」
「パパさんシャツは却下」
「そんなぁ〜、夏の終わり限定独り線香花火バージョンなんだよ!? お祭りに着て行かれるために生まれたようなシャツに対してなんて冒涜を!」
パジャマになるために生まれたんだよ、パパは。
はぁ、と、頭を抱える紗凪。どんだけ落ち込んでいるんだよ。その時、チャイムがなる。
やっと来たか。
迎え入れたのは生徒会長、鸞子だ。
「さ、紗凪のサイズ合わせに来たのじゃ」
「おう、悪いな鸞子。上がってくれ」
そう、実はお嬢様な田間鸞子、祭に行くならと紗凪に浴衣を用意するとのこと。実は今から楽しみでならない。紗凪が、あの紗凪が浴衣でお祭に行く日が来ようとは。
兄ィは、兄ィは嬉しいぞ!
「昼にあかりの全ても測って来たのじゃ。紗凪、お前も覚悟するのじゃぞ?」
「ふえっ!?」
ぐへへへ、
「おい、男子は出て行かんか馬鹿者!」
馬鹿者とは何だ! 一応僕の家だからね?
仕方ない、駄菓子屋にでも行くか。
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