シスターカスタム
カピバラ
1
銃口を向けられた絶滅危惧種の、その最期の一頭のような悲壮感マックスの表情で、黄昏時の空を仰ぐ見慣れた女子を帰り道で見かけた。
何を隠そう、僕の妹だ。
白地のブレザーに朱色のチェックのスカートが特徴的な、一見、お嬢様学園風の制服はうちの学校、——何の変哲もない普通科共学校、夢咲高等学園の制服であり、その胸の胸章にはⅠの文字が記されている。
長く色素の薄い髪、——目にかかる程に長い前髪が彼女の瞳を隠しつつも微風にふわりと靡く。久方ぶりに垣間見た瞳から、この世のものとは思えない程に綺麗な水晶玉が零れ落ちるのが見えた。
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