ともだちのこ

バブみ道日丿宮組

お題:幼い任務 制限時間:15分

ともだちのこ

 友達の子供が嫁に来た。

 これだけ聞くと俺がまるでロリコンのように思われるかもしれないが(実際二次元キャラにおいてはその通り)、俺が交際を申し込んだわけじゃない。

 友達も俺なら安心とかいって、トントン拍子に話が進んだ。

「幸せになれるよ」

「そうかな?」

 日常会話レベルが正直どうしたものかと悩みどころ。

 確かに小さい頃から交流があったよ。

 下の毛が生えない時期から子育てのお世話をお願いされてたよ。2人仲良く旅行する中、病気にかかった娘をおいてくという鬼畜っぷりは今でもありえないと思うが……それだけ信頼されてたんだろうか?

 1時間ごとに電話してきたからまぁ……普通なのかもしれない。

 俺に家族がいれば少しはまともな付き合いもできたのかな。

「お風呂入ろうよ」

「いいけど、何も出ないよ」

 笑う嫁は素直に可愛い。

 どうしてこんな子が俺のとこにきたのかやはりわからない。

 嫁が仕事も家事も的確にするので、わりとやることが日常的にない。『なにか手伝おうか?』と聞けば、『私がやりたいことだから』と尽くしたいオーラでアピールしてくる。

 持病がひどくて働きにいけない俺からすると、そうしてくれるのは本当のことをいえば嬉しい。頼ると嬉しそうな顔をするのも個人的に好きではある。

 そう嫌いじゃない。好きなのだ。だから、結婚した。子供ができるかはわからない。俺の身体は小さい頃から異常だった。遺伝子が人間でないとまで言われたものだ。

 そんな人間だったから捨てられた。

 孤児院に数年厄介にはなったけど、居場所はなかった。優しくしてくれた人間、構ってくれる子供はいたけど、そっけない態度で過ごしてた。嫌われないように適度に。

 そんな俺に赤ん坊を見せに来たのは、高校3年生の頃。

 何しちゃったんだと友達を心配したからか、名付け親にもなって一緒にしばらく暮らすことにもなった。

 そんないろいろが重なって今になる。

「明日のお弁当期待しててね」

「いつもいうが会社に影響ないようにな。俺も自炊ぐらいは簡単なのならできるから」

 ぷくっと頬を膨らませた嫁は可愛い。

 この表情が曇らないような人生を過ごせたらいいなとは、最近よく思う。

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ともだちのこ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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