第27話 なんでやねん!
★★★(テスカ)
ヒカリさん=イザナミハンターにサポートしてもろて。
ウチは庭の茂みの中に引っ込んだ。
変身するために。
茂みの中に身を隠して、正座して。
イハイパクトを出して、おりんチャイムとおりんスティックを出して……
おりんチャイムを鳴らして……
チーン ちーん ちーん
音色の余韻響くおりんチャイム。
それを額に近づける……
「変身!」
★★★(ヒカリ)
「さらに二手に分かれて、追われなかった方から変身していきましょう」
テスカさんの提案に従って、先に変身して戻ってきたけど。
正直、厄介な相手だ。
一応、別れ際にこいつの能力については教えて貰ってる。
1)斬ったものを透明にする能力『断面図』
2)万物を手にして掴んで来る能力『おさわり』
大変まずい。
変態じみた能力だ。
相手の斬撃を受け止めるのは果たして大丈夫なのか?
その思いが強かったけど。
ぎんっ!
とりあえず、受け止めることだけはできるみたい。
受け止めた個所が透明になって見えなくなってるけど。
分かってても、最初はその部分が消滅したのかと錯覚した。
事前情報が無ければ危なかったよ。
「そらそら、当たると透明になってしまうぞワーン!?」
2重声でさも楽しそうに。
変異種のエロマニアは矢継ぎ早の斬撃を繰り出してくる。
私はそれを防ぎながら
「このエロマニア! 思う通りにはいかせないから!」
一瞬の隙を突き、足払いをかけた。
エロマニアは攻撃を中断し、それを飛び退いて躱して
「エロマニアではない! エロマニア
両手の剣をクロスさせて、高らかにそう宣言。
別に興味はなかったけど、この変異型エロマニアはエロマニア
ただのエロマニアとは違う。
そういうわけか。
確かにただの化け物であるエロマニアと違い、会話する能力を持ってるし。
戦い方も、力任せのただのエロマニアと比較して、知性を感じる。
確かに違う気がする……!
再び斬りかかってくる変異型エロマニア、いやエロマニアw。
私は如意棒モードのおりんスティックを操り、体捌きを交えながら回避する。
どんどん透明な個所が増えていく如意棒モードのおりんスティック。
そこに。
「ペルセポネハンターキーック!」
ペルセポネハンターに変身したテスカさん……黒のフリフリノースリーブ、スパッツ姿の女の子が、エロマニアwに背中からドロップキックを浴びせたのだった。
★★★(テスカ)
お待たせや!
ペルセポネハンターへの変身を終えたウチは、現場に駆け戻って、ヒカリさん……イザナミハンターと戦っているエロマニアにドロップキックをかましたった。
エロマニアのやつ、同じ不意打ちを2度も喰らってアホ丸出しや!
「ギャワワワーン!」
ゴロゴロゴローッ!
吹っ飛ばされて、転がる。
「ありがとうペルセポネー!」
「どういたしましてやイザナミ!!」
これでノラハンターが2人そろた!
ここからはウチらのステージや!
ウチもおりんスティックを出して如意棒モードにし、エロマニアに向き直った。
エロマニアは、身を起こすところやった。
チャンス!
「浄化や!」
ボコボコヘッド&ガンガンヘッドや!
ヒカリさん、いやイザナミハンター!
ここは畳みかけるところやで!
ウチは如意棒モードのおりんスティックを構えて、エロマニアに突っ込もうとした。
その足が、突如何かに摑まれる。
ズダーン! と、盛大にスッ転ぶウチ。
なんや!? とおもたら
足首を、土の手で掴まれてた。
おりんスティックでウチはそれを叩いて壊すけど、あとからあとから湧いてくる。
ええい! しつこいわ!
そんなウチと違い、ヒカリさんは雷の精霊魔法の「飛翔の術」の効果で飛べるから。
土の手に捕まらんで、まっすぐにエロマニアのオッサンに突っ込んで行った。
あのエロマニア、顎も爪先も、脇も、乳首もある!
ボコボコヘッド&ガンガンヘッドが無理なら、そっちで浄化すればええんや!
おりんスティック・如意棒モードを構えたヒカリさんは、次の瞬間姿を消して……
一瞬後、エロマニアの背後に背を向けた形で出現する。
一瞬の間に、両爪先、顎、両脇、両乳首を打ち据え、突く……
ヒカリさんの異能を駆使した超高速の打撃!
打たれて突かれた部分が輝き、浄化がはじまる……!
かに、思われたんやけど……
「甘いワーン!」
ふんぬ、と気合を込めたエロマニアのオッサン、浄化の光を吹き飛ばしてまいよった!
……多分、ヒカリさんひとりの力では浄化できへんねん……!
ボコボコヘッド&ガンガンヘッドやないと……
「今度はこっちの番ワーン!」
浄化の光を弾き飛ばしたエロマニアのオッサンは、ヒカリさんに両手の剣で斬りかかってくる。
ヒカリさんはそれをおりんスティックで受け止める。
オッサンの攻撃はなかなか鋭い。
ヒカリさん、防戦一方や。
……ウチが頑張らんと!
「てりゃああああああ!」
雄叫びをあげながらウチがおりんスティックを構えて突っ込むとエロマニアのおっさんがそれに反応して土の手で邪魔をしようとしてくる。
けど。
それをした瞬間、ヒカリさんへの対応が甘くなって、打ち込みを許してしまう。
土の手の妨害、封じられたで!
チャンス!
ウチらは2人がかりでオッサンに打ち込みまくる。
オッサンは、双剣でそれを受け止め、切り返して来る。
それは見事な切り返しやった。
なんやけど……
ボコォ!
突如、オッサンの頭におりんスティックの一撃が入る。
ウチの振るった一撃やった。
……ちなみに、まぐれ当たりではあれへんかった。
それは……
「……ぼ、棒が……透明になってて見えないワン……!」
なんでやねーん!
エロマニアのオッサン、見境なしに透明にしてたもんやから、おりんスティックが見えへんようになって、避けられなくなりよったんや!
アホかーい!
自分の攻撃で窮地に陥るなんて、アホ丸出しや!
ウチらはボコ殴りに移行する。
移行したんやけど、エロマニアのオッサンは
「ひいいいワーン」
絶対急所の頭部を双剣で庇って、亀になりよった。
……こ、これでは……
ボコボコヘッド&ガンガンヘッドができへん……!
頭を叩かれへんとボコボコヘッド&ガンガンヘッドちゃうからね。
どないしたもんか……。
「諦めてはいけないわ!」
そんな中、ヒカリさんの言葉。
続いて繰り出したヒカリさんの攻撃に、ウチは「そうか!」と手を打ってしもた。
ある意味、文字通り。
ヒカリさんは、エロマニアのオッサンの手を打ち据えたんや。
ビシイッ! と。
指を狙ってはったね。
容赦ないわ~。
折角亀になって、反撃が無い状態になってるんやから。
双剣が持たれへんように、手を破壊すればええんや!
よ~し、ウチも、やったるでえええ!
小手小手小手小手小手小手小手小手小手小手小手小手小手小手ェ!
ウチらの小手狙いの連続攻撃。
小手の、しかも指を狙っての攻撃。
「ギャワワワーン!!」
力いっぱい激しく打ち据えると、手がズタボロになって、たまらずエロマニアのオッサンは双剣を手放した。
もう一息や!
手放した双剣を蹴っ飛ばして遠くにやると、すかさずウチらは頭部の殴打に移行する!
今こそ……
「ボコボコヘッド!」
「ガンガンヘッドや!」
ボコボコボコボコッ!
ガンガンガンガンッ!
響く音!
飛び散る血飛沫!
浄化のクライマックスや!
「こ、こんなのただの集団暴行だろぉぉぉぉぉ……ワン!」
殴られ続けて反撃もできへんエロマニアが、次第に輝き出して……
浄化が始まった!
やったで!
うちら、敵幹部が融合した、ドえらいエロマニアを浄化したんや!!
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