第二十一話 賭けをしよう
俺にぶつかって来た酔っ払いの男が俺に喧嘩を吹っ掛けてくる。
「お前がレインだろ。ハリバーを倒した奴だよなぁ」
「ああそうだが、それが何か?」
すげえ酒臭い。
かなりの酔っ払いだ。
「調子に乗ってるお前にこの俺様が制裁を加えてやるぜ」
「悪いがお前に構ってる時間はない」
「逃げるのかてめえ!」
酒臭い酔っ払いのガンガーが俺に向かって大きな声で言葉を放つ。
アイリスもガンガーに対して嫌そうにしている。
「レイン。どうしますか?」
「面倒くさいからスルーだ」
そんな俺達の言葉を聞いたガンガーが冒険者ギルドの中で、観衆たちを前に宣言する。
「今からこいつを一撃で倒す。ハンターランク100の実力見せてやるぜ」
こいつハンターランク100なのか。
俺が現在30だからそれなりに強いのか。
「勿論逃げねえよな?」
こりゃ逃げるのはマイナス評価になりそうだな。
仕方ない少しだけ付き合ってやるか。
「戦ってやる。但し賭けをしよう」
「ああ!? 賭けだと」
「ああ。俺が勝ったらお前が装備しているアクセサリーを貰う」
俺は偶然ガンガーが装着している指輪のアクセサリーを見つけた。
あれは絶対アクセサリーだ。しかもハンターランク100の奴が身に着けているんだ。効果も強力な筈だ。
「ちょっとガキが。これは貴重なアクセサリーなんだ。賭けの対象なんかにする筈ないだろ。そもそもアタシらは賭けを承認してないんだ」
焦った口調で仲間の女が口出しする。
しかしガンガーは酔っぱらった勢いで大声で了承する。
「いいだろう! 但してめえが負けたら後ろの女は貰ってくぜ」
成程下種な野郎だ。
アイリスはかなりの美少女だ。
男なら魅了されるのは当然だ。
「悪いが仲間を賭けの対象にする気は無い」
「ああ! 逃げんのかてめえ」
ガンガーが言うと同時にアイリスが言葉を口にする。
「レインいいですよ。私はレインが勝つと信じてますから」
「アイリス」
「戦ってください」
「分かった」
アイリスが真剣な表情で俺に言う。
俺はそれを了承した。
「じゃあ行くぞ」
「来いやガキが」
俺とガンガーは戦闘を始める。
周囲の冒険者たちはガンガーが勝つと思い込んでいる。
「おいガンガー、ちょっとは手加減してやれよ。まだ子供だぞ」
「ガンガーの圧勝だろうな」
「剣術大会で優勝したからってあのガキ調子に乗ってるな」
観衆が俺に向かって好き勝手言う。
「うらああああああああああああっ!」
ガンガーが俺に向かって銀の剣+で攻撃してくる。
俺はそれを軽くいなした。
「どうした全然効かないぞ」
「てめえ!」
ガンガーが再び攻撃を仕掛けてくる。
しかし俺の防御力は1000。そして魔除けの指輪で相手の攻撃力は300ダウンだ。
よってガンガーの攻撃ではダメージを受けない。
「潰れろ」
俺はお金を大量に出現させてガンガーを潰す。
そして潰れているガンガーに魔剣アーレードを突き付けた。
「死にたいか?」
「わ、悪かった! こ、殺すのだけは勘弁してくれ」
「じゃあ俺の勝ちでいいな」
「あ、ああ」
ガンガーはビビっている。
床に這い蹲っているガンガーから指輪のアクセサリーを頂き、俺達は冒険者ギルドのクエストボードへ向かう。
「おい何なんだあいつ!?」
「レインって言ったよな。何者だあいつ」
「ガンガーに勝ちやがった」
俺はこの日ハンターランク100の冒険者であるガンガーを圧倒した。
あっ、お金は消そう。
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