第二話 パーティーからの追放
途方に暮れていた俺に追い打ちを掛けるようにエイレンがこう言う。
「お前は悪いが要らない。今日限りで離脱してくれ」
「な、何で!?」
「だってお前がいたら獲得経験値0だぜ。俺達いつまで経ってもレベル上がらねえだろ」
「ず、ずっと一緒にやってきたじゃないか」
「有能なら幾らでも加入させてやるよ。だがお前の外れスキル【経験値0】は役に立たないどころか足手纏いなんだよ。いい加減に認めろよ、自分が世界一無能だってな」
俺を冷めた目で見下してくる幼馴染のエイレン。
「カルラ……ディンガ……」
俺の言葉に目を背けるカルラ。
そしてディンガは俺を罵倒する。
「追放決定だ。お前なんて役に立たない。昔から無能だとは思っていたがここまでとはな」
「まあそう言うな。幼馴染だろ。もうレインも理解しただろ、自分が出ていくべきだって」
二人が俺に早く出て行けとジェスチャーする。
「ごめんね。でも経験値0は無理だから」
カルラがその言葉を言った瞬間俺はショックで過呼吸気味になった。
こうして俺はパーティーを追放された。
実家からもパーティーからも追放された俺はショックで神殿の石段に座り込む。
そんな時女神から声が掛かった。
「非常に気の毒ですね」
「慰めはよしてくれ。もうどうでもいいんだ」
「仕方がありません。貴方の努力と行動と幸運に期待するとしましょうか」
「何言って?」
俺は次の瞬間気を失った。
そして目が覚めたら、地面が見えない恐ろしい高さの場所にいた。
手錠をされていて身動きが取れない。
「何をするんだ!?」
「運が良ければバグるかもしれません。前例はありませんが」
「何言って!?」
「では【エターナル】へ行ってらっしゃい」
次の瞬間俺は地面が見えない深淵とでも言うべき場所に放り投げだされた。
「うわあああああああああああああああああああああああああ!」
こうして俺は外れスキル【経験値0】だけを持ったままダンジョン【エターナル】へと放り投げだされる。
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