外れスキル【経験値0】の俺追放~幾らモンスター倒しても経験値は貰えない為足手纏いだと言われるがステータス値はバグでMAXまで上昇していました。規格外の力で無双する。まだ経験値稼ぎなんてやってるの!?~

風白春音

第一話 外れスキル

 神殿にて――


 「エイレン・アドラーデ前へ」

 「はい」


 現在俺達は神殿の中にいる。

 そしてそこでスキルを女神から授かるのである。

 十五歳になると世界中の人々が一人一つのスキルを授かるのだ。


 「エイレンどんなスキル授かるのかな」

 「わっかんねえよ。でも一番はやっぱりエイレンだろ。俺達の主核で神童だぜ」

 「そうよね。ねえレインもそう思うでしょ」


 俺は同じパーティーメンバーのカルラとディンガに話掛けられる。


 「ああそうだな」


 俺はエイレンの方を見てそう言う。

 悔しいがエイレンは神童で俺達のパーティーのリーダーでもある。

 スキルを授かる前からモンスター討伐数が国内ナンバーワンであった。


 「エイレン、貴方のスキルは【神速の剣聖】です」

 「やった!」


 エイレンは大きくガッツポーズする。

 それを見ていた周囲の国民たちが「おおおおおっ」と歓声を上げた。

 かなりのレアスキルのようだ。


 「次の者前へ」


 こうして次々と名前を呼ばれる子供達。

 カルラは【聖女】、ディンガは【魔法賢者】だった。

 俺が所属するパーティー【グランアード】のメンバーは皆所謂レアスキルだった。

 そして俺の名前が遂に呼ばれる。


 「レイン・アーノルド前へ」

 「はい」


 俺はアーノルド家を代表して女神の前へ向かう。

 後ろでアーノルド伯爵夫妻、即ち俺の両親が見ていた。


 「貴方のスキルは……」

 「うん? あの女神様?」


 周囲の国民たちは動揺し始める。

 俺の両親やパーティーメンバーも首を傾げている。


 「そんな筈はないのですが」


 女神が天高く神聖の杖を掲げるが光らない。

 そして何度目かでようやく光りだす。


 ==============

 名前:レイン・アーノルド

 スキル:【経験値0】

 ==============


 俺に与えられたスキルがステータス画面に表示された。

 そして俺は、呆然とする。


 「け、経験値0ってどういう事ですか!?」

 「前例がありません。初めて見たスキルです」


 女神がそう言いづらそうに困惑した表情でそう言う。

 その瞬間、国民が一斉に嘲笑する。


 「ふははははははっ。経験値0だってよ、外れスキルじゃねえか」

 「あのアーノルド家の長男なのに外れスキルってwww」

 「この面汚しが」


 俺に一斉に浴びせられる罵倒。

 そして両親が慌てて女神へせっつく。


 「女神様、これは何かの間違いでは?」

 「いえ、このスキルの義式に間違いはありません」

 「じゃあ我が息子のスキルは【経験値0】という事ですか」

 「はい。残念ながらそうなります」


 父であるバレッド・アーノルドが顔色と声色を変えて俺を殴る。

 俺は地面に倒れ込んだ。


 「このアーノルド家の恥さらしめ! 貴様のような無能などもう必要ないわ! 今日限りで貴様をアーノルド家から破門する。そして二度と我が家の敷居を跨ぐな!」

 「アーノルド家を継がなければ」

 「黙れ無能が! お前などいなくてもラールがいる。今後アーノルド家はラールが引き継いでいく。分かったらとっとと失せろ無能が!」


 そう言って俺を追放したバレッド・アーノルド。

 母さんも見下した冷めた目で俺を見ている。

 最早俺の居場所はここにはなかった。

 そして俺は儀式を見ている全ての国民に嘲笑された。


 ステータス

 名前【レイン】

 年齢【15歳】

 レベル【1】

 HP【100】

 MP【50】

 攻撃力【10】

 防御力【10】

 俊敏【10】

 魔力【10】

 幸運【1】

 固有スキル【経験値0】

 装備

 武器【なし】

 防具【なし】

 アイテム【なし】

 お金【0ガルド】


 この日を持って実家であるアーノルド家を追放された。


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