第2話 神の御前で全裸とな?

 金田の言動から察するに二つ金〇を潰されたのだと推測できる。方法はわからん。けどあの金髪シスターの仕業ということは断言できる。だって俺なにもしてないもん。


 待てよ? ひょっとして俺の体が動かないのもあの女が絡んでるんじゃ……え、それってどうなんの? 俺も金田と同じ末路を辿たどっちゃうんじゃないの?


 いやいやいやいや無理無理無理無理ッ! あんなの耐えられる気がしない! ていうか事実金田は耐えられてないし! 終わっちゃってるし! あーもうやだ痛いのやだホントにやだッ! お願いだから後生だから一生のお願いだから――死に方を選ばせてくれええええええええッ!


「怖がることはない……速水早太郎」


 願い、はかなくも散る。


 あ、もうこれ完全に詰んでるわ。俺の名前知ってるってことはつまりそういうことだもん。


 この状況は決して偶然なんかじゃなく作られたもので、その作った張本人であろう金髪シスターがなんかしらの方法を使って俺をここまで連れてきた。目的は? ……それはついさっき金田自身が説明となってくれた。


 要は絶望ってわけ……ハハ、ハハハ、アハハハハハハハハハハハハッ! さようなら早太郎! 初めまして早子そうこ! これからは身も心も女としてやっていくわよおおおおおおおんッ!


「はぁ…………落ち着け」


 金田を苦しめた時と同様に、金髪シスターは右手を僅かに上げる。


 五体満足に産んでくれてありがとうお母さん。けど、ごめん――玉、やられちゃうわ。


 閉じたまぶたに浮かんだのはお母さんの優しい笑顔だった。


 …………………………あ、あれ? おかしいな、全然痛みがやってこない。


 やるなら一思ひとおもいにやってくれと内心で祈り、歯を食いしばって待つが、その瞬間は一向に訪れず、金髪シスターは一体なにやってんだと俺は薄目を開けて見る。


 すると、金髪シスターはこの瞬間を待っていたと言わんばかりの表情をし、見せつけるようにパチン! と指を鳴らした。


「……………………」


「良い子だ」


 俺の内から恐怖という恐怖が消えていくのがわかる。


 恐怖だけじゃない。感情というか感覚というかそういった失う必要のないものまでもがだ。最後に残ったのはオ〇ニー後なんかとは比にならないレベルの虚無感だった。


 あぁ……もうなにもかもどうでもいい。俺に構わないでほしい。放っておいて……ほしい。


 しかし、残念ながら金髪シスターは空気の読める人じゃなかったようで。


「する必要はないが一応形式に則って本人確認させてもらう……お前は誰か、速水早太郎か」


「あぁ……はい……」


「○○県✕✕市在住、□□高等学校二年。速水はやみ和俊かずとし速水はやみなぎの間に生まれた一人息子の速水早太郎で間違いないな?」


「……はい」


 うっわぁ、そこまで知られちゃってるんだぁ……まぁどうでもいいけど。


「結論から言おう…………お前はもう死んでいる」


「……はぁ」


「お前が卒業式という名目でしていた性行為の最中にだ。わかるか? 性行死がお前の最後だったんだ」


「えぇ……恥ずかしいなぁ……」


 と反応しつつもどこか他人事のように思えてしまうのは、虚無感もそうだが単純に死んだ実感がないからだ。


 でも言われてみれば確かに、俺が思い出せる最後の記憶って南沢の感じてる顔なんだよな。そこから先があやふやというか、そもそもないというか。


 あ、じゃあホントに俺死んだんだ。しかも腹上死って形で…へぇ……ふぅん……。


「本来であればお前はそこで終わるはずだった。しかしお前は今こうして私の前にいる……どうしてだと思う?」


 考えるのも面倒なのでとりあえず俺は首を傾げておく。


「お前に興味を持ったからだ。ちなみに私はお前の住んでいた世界で言うところの〝神様〟にあたる」


「ほぇ……かみさま、ですかぁ……」


 やべ、神の御前ごぜんで全裸だったわ…………ま、いっか。


「そうだ。で、ここからが本題なんだが――――率直に言おう。速水早太郎、お前には異なる世界で第二の人生を送ってもらう」


「……はぁ」


「〝異世界転生〟と言った方がわかりやすいか? あの世界、特にお前の住んでいた日本では流行っていたようだしな」


「……あぁ……そうでしたねぇ……」


「要は異世界転生を実際に体験してもらうというだけの話だ。拒否権はない」


 え、拒否権ないの? じゃあもう従うしかないじゃん。


「わかり、ましたぁ……」


「よく言った。ああそれと、お前が思い描いている異世界転生と私がこれから行う転生とでは僅かに異なる部分があることを予め伝えておく。なに、些細な違いだ、心配には及ばん」


「……はぁ」


「うむ、良い返事だ。では早速――取り掛かるとしよう」


 玉座から立ち上がり俺の元まで歩み寄ってくる。


「…………一ついいですか」


「…………なんだ?」


 ここにきて初めて金髪シスターから笑みが消えた。そして何故か怪訝けげんな顔をされる。


「あぁ……えとぉ……すごくどうでもいいことなんですけどぉ……南沢みなみさわ那美なみと、堀北ほりきた伊織いおりはその後、どうなったんでしょうかぁ?」


「……クックックッ――まさか、私の術に抗ってくるとはな。速水早太郎、やはりお前は面白い」


「……はぁ」


「ああいや、こっちの話だ、気にするな」


 そう言った金髪シスターはどこか楽し気で、緩めた表情のまま俺の問いに対する答えを口にする。


「いずれ会える……とだけ言っておこう」


「そう、ですか……」


「うむ。では――」


 金髪シスターが俺の両目を手で覆い隠した。


「良い人生を」




ーーーーーーーーーー

どうも、深谷花びら大回転です。


おチムチムをおナメナメ

おキンタマをおナメおナメ

おア○ルをおナメナメ

おま○こをおナメナメ


……いや、やっぱり脇ね。脇が最高だわ。脇しか勝たん。


そうよね?そうよ……そうに決まってる!



脇しか勝たあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!


以上、中学生の主張でした。

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