第3話 二時限目 1

 二時限目はつつがなく進んでいき残すところあと僅か。皆の視線が壁時計に多く向く時間になった。


 ……ダメだ。内容が全然頭に入ってこない。


 俺は授業に集中できていなかった。


 理由は至極単純で思春期ならではのもの。一時限目での出来事が脳内で勝手に再生されてしまうのだ。


 自分でじゃなく誰かの手でいじってもらうのって、あんなに気持ちいいもんなのか……しかもあの南沢に……いかんいかん、集中集中。


 脳内再生されては連動してアソコも肥大化し、ダメダメと振り払えば萎縮いしゅくする。この数十分、俺が繰り返してきたことだ。


 意識しないようにすればするほど鮮明に思い出してしまう。背徳はいとく的シチュエーションも相まって余計に。


 一番後ろの席だからってバレないわけじゃない。誰かが振り返る、たったそれだけで学校生活が終わる可能性だってある。教師に見つかりでもしたら最悪親にまで……そういった懸念けねんですら興奮材料になることを身をもって知ってしまった。


 ――あっ……そうそう、確かこんな感じで皆の背中を見つめながらアソコをいじられて――って、え?


 そんなまさかと視線を落としてあらびっくり。色白で華奢きゃしゃな手が俺のナニをそっと撫でていた。


 あふあふあふあふあふうううううううううううッ!


 またしても――またしても南沢は刺激的な時間を俺に与えてくれた。

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