第8話

耽美、という表現がすきだ

何が答えなのか、何が正しくて何が間違っているのか少しもわからなくなる


強いて言うのなら、色のない世界

そこにぽとりと落ちるもの


沢山の情報に飾られた世界ではなく

ただ一途に感じる無色透明の、白黒の

あなたの形を確かめるようになぞる


繊細な髪の毛や、消えそうな温度や

皮膚の薄さを探り探り、

何度も反芻しては閉じ込める

この感覚は本物か?と


夢の中にいるようで、リアルな生の匂い

苦し紛れに噛みついた首の、しょっぱい味


感情のない物質のようでいて、滑らかな手のひらを撫でる

なにも感じない?

嘘、少し震えてる

熱を帯びていく、柔らかな指先


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