第4話

財布を探すのに鞄の中を漁る

小銭を取り出すのに財布の中を漁る

僕はいつも、ものの管理が不十分だ

足元の洗濯バサミを踏んで悶絶するなんて

日常茶飯事で

謎の負傷をしている

自分の頭の中のもやもやを感じている時

片付けをする余裕がなくて

いつも人に見られて注意されないか

ヒヤヒヤしている


メガネだけは、妻が持っていてくれる

私を認識できないと困るでしょう

あなたは忘れっぽいから


僕のメガネを持つのを許されるのは妻だけで

僕の管理を任せられるのも妻しかいなかった


ひとりでは生きていけないと知った

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