怒りに飛び込む男

多聞

怒りに飛び込む男

 これで気が済んだといわんばかりに立ち去っていく老人を、俺はホーム下から眺めることしかできなかった。頭上からはアナウンスが聞こえてくる。どうやらもうすぐ電車がくるらしい。

 こんなことになるとは思わなかった。やっと駆けつけてきた駅員の手を借りてホームに戻ると、やじ馬共の視線が突き刺さってきた。好奇と非難と、少しの同情。不躾に飛んでくる視線をうっとうしく感じていると、俺を引き上げた若い駅員が声をかけてきた。

「怪我はないですか? うん、大丈夫そうですね。これからはなるべくホームの真ん中を歩くようにしてください」

 俺がひとりでに落ちたと思っているようだ。駅員は言いたいことだけ言うと、背を向けてしまった。

「いや、ちょっと待って! 俺は突き落とされたんだよ」

「落とされた?」

 若い駅員は、面倒くさそうに振り向いた。それで? と言いたげな態度に、俺は思わず声を荒げてしまう。

「だから、頭のおかしいジジイに落とされたんだよ! もうちょっとで殺されるところだったんだ。いいから早く警察に通報しろよ!」

「はぁ。申し訳ありませんが、突き落とされたという証拠がなければ、被害届を出せない決まりになってまして」

 俺の怒りは頂点に達しようとしていた。そんなおかしな決まりが、この世に存在するのだろうか。怒鳴りつけたい気持ちを必死でこらえながら、俺は他の手を考えていた。

「じゃあ監視カメラはどうだ。それなら突き落とされた場面が映ってるはずだぞ」

「あいにく壊れてまして」

 駅の監視カメラが、そんなに都合よく壊れているわけがない。いけしゃあしゃあと言葉を吐く駅員の顔を見ていると、次第にやけっぱちな気分になってきた。

「よし、じゃあこの野次馬連中に聞いてみようじゃないか! 俺と老人が揉めているところに居合わせた奴が、一人ぐらいはいるはずだ」

 暇そうに騒ぎを眺めていた連中は、俺の言葉を聞いた瞬間、そそくさと散らばってしまった。無責任な群衆だ。好奇心は満たしたいくせに、面倒事に巻き込まれるのはごめんらしい。

「残念ですが、証明するのは難しいようですね」

 全く残念だと思ってなさそうな口調だ。俺は思わず胸ぐらをつかんでしまった。かたく握った拳を振りあげると、駅長室から年かさの駅員が出てくるのに気づいた。この場面を見られるのはまずい。しぶしぶ手を離して歩き出すと、

「もうよろしいんですか?」

 という若い駅員の嬉しそうな声が、背後から聞こえてきた。まったくもってよろしくはないが、面倒事になるのはごめんだ。

 改札に向かう途中、年かさの駅員がこちらに声をかけようとしたのが分かったが、俺は早足でその場を去った。


 鍵を開けて家に入ると、いびきが玄関の方まで聞こえてきた。「ただいま!」と叫ぶが、起きてくる気配がない。寝室をのぞくと、妻がだらしのない姿勢で寝ているのが見えた。

「おい、帰ったぞ」

 そう言って揺り起こすと、妻はやっと目を開けた。

「ああ……。今帰ったの? ご飯は?」

「食ってきたから要らない」

 ふうんと相槌を打った妻は、眠そうな顔になって再び横になってしまった。ここで俺の話を聞かずに寝られては困る。妻の迷惑そうな顔に構わず、先程の出来事を早口でまくし立てた。

駅員とのやり取りまで話し終えると、薄く目を開けてこう言った。

「まあ、信用されないのも仕方ないんじゃない? 自分では気づいてないみたいだけど、あなたものすごく酒臭いわよ」

 お前の口臭には負けるよ、ともう少しで口に出しそうになった。余計な火種を作りたくはないので、話を変えることにする。

「それにしたってさ、あの駅員の態度はひどいよ。クレーム入れてやろうかなあ」

「やめてよ、恥ずかしい」

 非難するような目でこちらを見てくる。心底嫌そうな表情だ。クレームを入れるのは冗談だとしても、今度顔を合わせたら、文句の一つぐらいは言ってやりたい。

 そんなことを考えていると、妻がふと思いついたように、

「そういえば、あなたを突き落としたっていうおじいさんはどうなったの?」

 と聞いてきた。そうだ、老人のことをすっかり忘れていた。

「どうなったもなにも、とんずらこいてそのままだよ。被害届も出してないし、今頃どこかでぐうぐう寝てるんじゃないか」

「ふうん。まぁ怪我がなくてよかったじゃない」

「いやいや、もう少しで轢かれるところだったんだぞ?」

 ホーム上からのぞく顔。「三番線に電車が参ります。黄色い線の内側にお下がりください」というアナウンス。野次馬たちの視線。今思い出しても冷や汗が出る。

「あのときほど命の危機を感じたことはなかったな。あのジジイもなに考えてあんなことをしたんだか」

「ふふ、よっぽど腹を立てたんでしょうね」

 なにがおかしいのか、妻は薄い微笑を浮かべている。まるで、俺がこういう目に合って愉快だというふうに。

「おい、なに笑ってるんだよ」

「だって……。そのおじいさんがどうして怒ったのか、あなた全然分かってないでしょう」

「別に俺は怒らせるようなことしてないよ。そもそもあっちがぶつかってきたんだし」

 そうだ、俺はなにもしていない。いちゃもんをつけてきたのもあっちだし、先に手を出したのもあのジジイだ。それを聞いた妻は、したり顔で忠告めいたことを言った。

「そういうときは、こっちが悪くなくてもとりあえず謝らないと。それで命を落とすのも馬鹿らしいじゃない。……まぁ、あなたには難しいかもね」

「おい、それどういう意味だよ」

 顔色を変えた俺に対して、妻は少し怯えたようにこう言った。

「だって、その通りでしょ? 自分が悪くても悪くなくても、謝るの嫌いじゃない。どうせ謝罪に大した意味はないと思ってるんでしょう」

「そんなことは」

 ない、と言いきれなかった。図星をついているだけに、言い返せないのが腹立たしい。

 確かに俺は、どれだけ謝れと言われてもそうしなかった。相手の欲望を叶えるために謝るのは、理不尽に思えたのだ。

「まぁ、これを機に態度を改めることね」

 という妻の言葉には、どうせ無理でしょうけど、というニュアンスがこめられているようだった。思い込みに過ぎないと分かっていても、乱暴な言葉が止められない。

「ああそうか、お前は俺のことなんてどうでもいいんだな?」

「そんなこと言ってないじゃない」

 妻がまた始まったという表情でこちらを見てくる。

「いや、そうに決まってる。俺がホーム下に落ちようと、電車に轢かれようと、お前にとってはどうでもいいんだ。本当はあの老人と同じように、死んでくれと思ってるんじゃないか?」

 それに、と俺はつけ加えた。

「俺が死んでも、お前は困らないだろう? お前の実家は金持ちだから、働かなくても生きていけるし」


 妻の口元が大きく痙攣したかと思うと、周囲にものすごい臭いが漂った。これは口臭だ。対面で話しているときの比ではない。足元から風が吹きあげるたび、息が止まるような臭いが漂う。

 妻の呼吸はだんだん荒くなるようだった。足元は絶えず痙攣しており、ともすると口の中に落ちてしまいそうになる。

万が一にも飛ばされてしまわないよう、俺は目の前でめくれあがっている唇の皮をつかんだ。カサカサした質感を手で確認していると、より一層ひどい風が吹きつけた。これ以上ここにいるのは危険だ。

 今俺は、上唇の真ん中あたりにいるらしい。不安定な足場にいるよりは、口角の方に行った方がよさそうだ。下山する要領で足元に気を配っていると、頭に唇の皮がぶつかった。顔を上げれば、唇の皮があちこちでめくれあがっている。戻ったら保湿するように注意しなければ。

 そんなことを考えながら足を進めていると、前方に大きな食べかすが見えた。俺は妻の枕元に、醤油煎餅の袋が転がっていたのを思い出した。おおかた、寝る前に小腹が空いて食べたのだろう。

 それにしても、食べかすを口につけたまま寝るなんて。げんなりとした気分のまま、俺は煎餅のそばに寄って行った。口角にたまった唾と食べかすが絡まって、ひどい臭いを発している。

 一刻も早く妻に注意したい気持ちを抑えつつ、俺は煎餅のかけらに足をかけた。少し力をこめれば、簡単に動きそうだ。

妻への苛立ちと、早くここから出たいという思いをこめて蹴ると、意外とすんなり落ちていった。それと同時に俺の体も空中に投げ出されたように思えたが、妻の声で我に返った。

「……なにじたばたしてるのよ」

「あ、いや」

 意識がこちらに戻ってきたようだ。しかし、さっきまでの感覚はなんだったんだ? 妻の荒れ果てた唇をじっと観察するが、特に変化はない。もしやと思って床に目を落とすと、醤油煎餅のかけらが落ちていた。

 あらためて妻の顔に向き合うと、口元の痙攣がひどくなっている。呼吸も荒い。もしかして妻は怒っているのだろうか。じとっとした視線からも、苛立ちが読み取れるようだ。

「えーと。怒ってる、よね?」

「そうね、逆に聞くけど怒ってないように見える?」

 妻は大きくため息をつくと、苛立つように布団をかぶり、横になってしまった。なるほど、怒っていると考えて間違いなさそうだ。

 これ以上寝室にいても無駄だと考えた俺は、そそくさとリビングに移動した。今日はソファで寝るしかないな。


 翌日、同じような現象が職場でも多発した。眉間の深いしわ、目やにだらけの目尻、激しく上下する眉毛。色々なパターンがあって少し驚く。

 つまり俺は、これだけ無自覚に人を怒らせてきたということだ。でも気づくことができれば、どうということはない。相手の望む対応をすればいいのだ。

 便利な機能だなと思いながらパソコンに向かっていると、険しい顔をした上司に呼びとめられた。

「ちょっといい? この領収書提出したのって君だよね?」

「あ、はい」

 上司が差し出したのは、俺が何日か前に提出した領収書だった。

「日付のところだけ筆跡が違うんだけど、君の字だよね? これってどういうことかな?」

「ええっと。日付が間違ってるから、正しい日付に書き直しただけなんですけど」

「だけって……。これさ、偽造だっていわれかねないよね。自分のやったこと分かってる?」

 偽造だなんて、そんな大それたことをするはずがない。不満をこめて上司の顔を見やると、俺以上に不機嫌な顔をしていた。

「ねえ、君この会社で何年ヒラ社員やってるの? ちょっと常識ないんじゃない?」

 散々な言われようだ。そこまで文句をつけられる筋合いがあるだろうかと言いたい気持ちをこらえ、俺は機械的に口を動かした。

「申し訳ありません。以後気をつけます」

 まさか謝るとは思っていなかったらしい。拍子抜けした表情になると、

「ああ、まぁ、分かればそれでいいよ」

 と言ってあっさり解放した。案外単純だなと思っていると、

「ねえ、なに笑ってんの?」

 どうやら頭の中で思っていたことが顔に出ていたらしい。

「なにか面白いところでもあったかな?」

「いえ、別に」

「別にってことないでしょう。さっきまで神妙な顔で謝ってたのにさ、今はもうニヤニヤニヤニヤしてるじゃない。本当に反省してるの?」

「してるって言ってるじゃないですか。さっきの謝罪ではまだ足りませんか?」

 そう口に出した瞬間、俺は後悔していた。みるみるうちに、上司の顔がゆがんでいく。


 上司の鼻の穴は、予想以上に居心地が悪かった。密集した鼻毛に、黄色い汚れがびっしりついている。臭いもひどい。

 そして鼻の奥からは、突風が時々吹きつけてくる。穴の外に投げ出されそうになった俺は、慌てて目の前の鼻毛をつかんだ。ねちゃりという感触がする。案の定、両手には黄色い汚れがついていた。

 鼻毛にくるまりながら、これからどうしようと思っていると、ゲル状のなにかが鼻の先をかすめていった。そういや上司はアレルギー性鼻炎だったな。次から次へと濁った水が流れていく。

 これで鼻の穴がふさがれてしまった。どうやって出ようと考えながら、自分が意外と穏やかな気持ちでいることに気づいた。とりあえず、上を目指そうか。

 俺は縄のぼりの要領で、汚れがこびりついた鼻毛を登っていった。上に行くにつれて、汚れはカピカピになっていく。

 そうこうしているうちに、鼻全体がひくひくとしてきた。もう逃れようがなさそうだ。しぶきがこちらに飛んでくるのと同時に、俺の体はふわっと浮いていた。ものすごい勢いで飛ばされていく。次の瞬間には空中に投げ出されていた。どんどん床が近くなる。

 最初に目に入ったのは、俺を見下ろす上司の顔だった。

「ちょっと、大丈夫? え? 今、天井から落ちてきた……わけじゃないよね?」

 そう言って上司は天井を確かめる。そこには当然、穴なんか開いていない。

「はぁ、まぁ大丈夫です……。えっと、今日は早退させてもらいますね。領収書、本当にすみませんでした」

「いや、うん……」

 宇宙人を眺めるような上司の視線から逃れたくて、俺は足早に部屋を出た。


 あれは本当にあったことなのか。道を歩いていても、いまいち現実感がない。しかし、右手には上司の鼻毛が握られている。体もどこか高いところから落ちたように痛い。

 いまや道行く人の顔が恐ろしい。あの感覚がこんなに怖いものだとは思わなかった。

 逃げ込むように家に入ると、また痛みがぶり返してきた。今回は奇跡的に助かったが、このままいけばいつか死んでしまうのではないか。そこまでして俺は他人の怒りを読み取りたいのだろうか。

 玄関の方から、鍵を開く音が聞こえてきた。今頃買い物に行っていた妻が、やっと帰ってきたらしい。

 リビングのソファに横たわっている俺に気づくと、少し驚いたように声をかけてきた。

「あら、帰ってたの」

「あ、ああ。今日は少し早く終わったから」

 ふーん、と言いながら冷蔵庫に食材をしまっていく。俺の様子には、全く興味がなさそうだ。

「ご飯は六時半ぐらいでいい?」

「構わないが……。お前、スーパーにはもっと早く行った方がいいんじゃないか? この時間だと、新鮮な食材が売ってないだろう」

 これからは朝一番に行けよ、と続けようとしたが、妻の顔を見てなにも言えなくなってしまった。深く刻まれた眉間のしわ、荒くなる鼻息、ひくつく口元。あの感覚になると分かっていて、これ以上なにが言えようか。

「いや、なんでもない」

 そう言って床に目を落とすが、妻の一挙一動が気になってしまう。相手の顔を見た瞬間、あの感覚になるのではないか。俺はそんな思いにとりつかれていた。

「えっ、ちょっと。どこ行くのよ?」

 もうこれ以上、他人と一緒にはいられない。俺は携帯と財布をポケットに入れ、家を飛び出した。うしろから妻が追いかけてくる気配はない。少しの安堵と落胆を感じつつ、俺はでたらめに歩き出した。


 目的地を決めずに買った切符を握りしめたまま、俺はホームの中央で突っ立っていた。目の前を電車が何本も通り過ぎていく。どれに乗るか決められずにいると、背中に衝撃が走った。

 痛みに顔をしかめながら振り向くと、ギターケースを背負った若者が通り過ぎるところだった。なにかにぶつけた感触はあったのか、ギターケースに傷がついていないか確認している。

 俺は若者の肩をつかんで声をかけた。

「なあ、今ぶつかったよな? 一言ぐらい謝るべきじゃないか」

 不審者を見る目つきでこちらを向いた若者は、俺の手を邪険に振り払うと、ホーム後方へ歩き出してしまった。

「おい、ちょっと!」

 逃がさないようにギターケースをつかむと、若者はキッとこちらを睨んだ。

「なにするんですか! 離してくれないと駅員呼びますよ」

「呼べるもんなら呼べばいい。俺が言いたいのは、ぶつかったのに無視することはないだろうってことなんだ」

「はぁ? あんなところにぼさっと立ってるから悪いんじゃないですか」

「それでもぶつかってきたのはそっちだろう。きみが謝るべきだ」

 つい声が大きくなってしまった。周りからちらちらと視線が飛んでくる。悪態をついていた若者も、周囲の視線が気になるようだった。もう関わり合いになりたくないという顔で、しぶしぶ口を開いた。

「あーはい、すみませんでしたぁ。……これで満足ですか?」

 相手の馬鹿にしきった表情と口調に、一瞬自分の感情が分からなくなった。ついさっきまで目の前にいたはずの若者は、線路上に横たわっている。ああ、そうか。俺は今、あの老人と同じことをしたのだ。

 周囲が騒がしくなってきた。逃げなければと思っているのに、どうしても体が動かない。

 若者の眼球はまだ動いている。俺はそこから目が離せなくなった。


 若者のまぶたは、もうぴくりとも反応しない。なんの苦労もなく目頭まで移動できたが、周りの静けさに不穏なものを感じる。ここから見る限りでは、目も鼻も口も動いている気配がない。眼球や皮膚の水分も、みるみるうちに乾いていく。

 全てが凪いでいく光景に見とれていると、後方から微かな息づかいが聞こえてきた。俺は鼻の穴の方に回り、どれくらいの勢いで息をしているのか確かめた。こうやって前に立っていても飛ばされないということは、本当にわずかに息をしているだけなのだろう。

 うしろを振り向くと、血の気を失った唇が目に入った。上唇の上に立っても、ひんやりとした感触しか感じられない。口角から流れる微量の血は、落ちたときに出たものだろう。俺は線路に横たわる若者の姿を思い出した。

 俺は若者に生きてほしいと思っているのだろうか。両手には未だ、突き落とした感触が生々しく残っていた。あのときの殺意も、はっきりと覚えている。しかし俺は、あの老人のように、せいせいとした気分になることができなかった。

 今俺は若者を突き落としたことを後悔している。

 だから若者のまつ毛が震えだした瞬間、俺は走り出してしまった。もしかしたらまだ望みはあるのかもしれない。

 震えたように見えた場所に駆けつけると、一本のまつ毛が眼球に刺さっていた。俺は刺さっているまつ毛を引き抜こうとしたが、中々うまくいかない。やればやるほど目尻に涙がたまっていく。

あそこに飛び込めば、ひょっとしたら戻れるのではないか。まつ毛にぐっと力を入れると、押し流されるように涙がこぼれた。思いきって飛び込むと、俺の体は透明な液体に包まれた。

 しずくの中は生温かく、居心地は悪くなかった。思ったよりゆっくりと体が運ばれていく。俺は現実に戻れるよう祈りながら、周りの液体が冷えていくのを感じていた。

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