時続
空
手紙
誰かに認められたかった文字書きは
「もうやめよう」という諦めから始まって
明日には死のうと思いながらも
今日という未来まで過去を引きずり生きてきた
そういう奴だから言える言葉を携えて
見ることないと思ってた世界を見ていて
それでも空虚な己とは未だ隣人で
まだ消えぬ過ぎた幸福にしがみついている
そういう人間を罵倒するのは勝手だ
「ほら見ろ」と嘲笑うのは簡単だ
「興味無い」と一蹴するのは自由で
それを知っているから作家の心は今日も朽ち果て
誰を責める気もないが
いや誰かを責められないと言った方が正確か
優しい人間にはなり損なって
でも立派な嫌われる人間にはなってしまった
「そう言うな」と誰かは言うが
その誰かの言葉は誰かの一生の言葉より軽い
結局のところ誰かの言葉じゃ満たされない
それに気付いたのは最近だった
降らば降れと睨んだ空の雨には毒づき
差し伸べた手を払うことには一丁前
そんなひねくれた奴を好きになる奴なんかいない
それを認められなかった三流脚本家
けどもう「諦めた」って言葉を言うのも諦めた
だからこそ書ける言葉を探し始めた
そうしてたどり着いたのがこういう言葉って訳さ
笑っちまうだろ、笑ってくれよ
こういう事を言っていると
いつしか共感や同情が飛んでくる
けどそういう物は望んでない
これはあくまで自分探しの言葉の旅だからだ
だけど日々生きづらいと感じる誰かに
こういう言葉が届いたなら幸いだ
君は僕にはなれないし、僕は君にはなれないが
それでも届いたってんなら嬉しいぜ
これからも僕は僕の言葉を紡ぐから
君は君の言葉を紡いでくれ
それが綺麗でも汚くても
いつかそれに救われる日がやってくる
どうせ君らには好かれない事を知っているから
好き勝手こうして言わせてもらっているが
それでもこんな言葉で救われてるってんなら
分かつ時まで戦おうじゃないか戦友よ
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