別離
「永遠なんてない」って言うけれど
それは分かってはいたけど
いざそれを目の当たりにした時に
その言葉の重さを知るんだ
当たり前だと思ってた日常も
明日があるって思ってたその明日も
どんなに堅甲だと信じていても
指先一つで割れてしまうほど非力だ
そういう事をずっと言ってきた
誰よりも僕自身が知っていると思ってるから
けどいつだって別れの話を聞いた時は
やるせなくなったりするもんなんだな
そういう僕だっていつまでもここにいられない
時間って奴が「早くしろ」と責めたてる
環境って奴が「早く行け」って手を払う
周りの人達が「もう必要ない」って無言を貫く
もうここには居場所なんかない
いつか見た輝かしい光景は「いつか」のもんで
時間って奴が環境って奴が僕って奴が
その光景を見た記憶を砂塵と化していく
『もうここには居られないから』
いつかそういう事を謳ったっけな
あの時ももう近くには誰も居なかった
誰ももう僕なんかに見向きもしなくなってた
結局また帰ってきちまったって訳さ
報われなかったあの記憶の中に
平気そうな顔してるだろ?
でもそうでもしてなきゃ泣きそうだからさ
まあいいさ
もう少ししたらここを出るよ
きっともう帰ってくることはないと思うけど
いや、もう帰ってきたくはないな
別にこの場所が嫌いなわけじゃないんだけど
これ以上「汚すな」と言われてる気がするから
邪魔者はこっそり出ていくよ
どうか元気でやってくれ
僕の代わりはいくらでもいる
僕よりも素晴らしいものを生み出す人がいる
そういう人たちにあとは任せて
僕は無責任に出ていくよ
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