第103話 第三次攻撃隊
時刻は午後0時。
軽い腹ごしらえを済ませて我々オアフ島攻撃隊は再び大空に飛び立つ。
甲板員が激励の声を挙げ、帽子を振って見送ってくれるなか、護衛の零戦隊から、250キロ爆弾搭載の急降下爆撃隊、800キロ爆弾搭載の水平爆撃隊と次々と発艦してゆく。
そのなかで、淵田隊長以下、空母赤城所属の九七式艦上攻撃機6機のみ、特別な爆弾を搭載して飛び立つ。
我々赤城護衛隊は、淵田隊長以下の特別任務機を守り抜くことが最優先とされた。
この任務の命令を受けたときは衝撃的だった。
このような作戦は一軍人として到底考え付くものではなく、改めて山本五十六軍令部総長の凄さに感服するのであった。
我々は108機が空中集合し、紺碧の空を北に向かう渡り鳥となった。
オアフ島までの空は雨は降っていないが雲量が多い。
大きい雲を避けつつ飛行すること1時間、遠方に島影がかすかに見える。
オアフ島だ!
今のところ順調そのもの。しかしこれからは敵機が現れるだろうと我々は四方を忙しく注視して見張りを厳重に行う。
徐々に島が大きく見えてくるなか、淵田隊長から信号弾が射出される!
全機突撃!突撃!突撃せよ!
信号弾が空中に閃光を放つと、我々の闘争心は一気に燃え上がり、各機が燃え盛る青色の火の鳥となって最大加速し散開する!
日本の暴風がみたびオアフ島に襲いかかる!
攻撃目標は、第一はオアフ島最大の40.6センチ砲台4門の破壊。
第二に、観測所及び射撃指揮所。
第三に、海軍及び陸軍司令部である。
この任務が集大成だ。日本のため、必ず成功させる!
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