第42話
風防を開けると、涼やかな強風にガソリンの匂い、エンジンの爆音が入り込み、一瞬で現実を感じる。
すぐ整備士が登ってきて、大きな声で話しかけてくる。
「お疲れ様です!何発か被弾あります!不調ありますか!整備要望は!」
整備士はノートを片手に矢継ぎ早に確認してくる。彼らの戦争は始まったばかりだ。
「お疲れ様!エンジン快調!問題なかった!被弾箇所見てくれ!20ミリは空!あとでまた来る!よろしく!」
整備士に伝えると、翼を伝って甲板に飛び降りた。
スタッ!華麗に着地!
おっと、あれ、足がふらつく。
疲れたか?
いや、違う、これは武者震いだ。
そうか、私の足は、ずっと震えていたんだ。
そんなことに今気が付いた。
屈伸などしていると、続いて二番機、三番機も着艦してきた。
見事な着艦だ。
私は列機の部下が降りてくるのを待つ。
二番機がゆっくりと降りてくる、悠々と満面の笑みだ。
こいつは何故か解らんが凄い奴だ。
三番機も降りてくる、タタッと小走りに軽快だ。私達二人を待たせまいと素早く、かつ気の利く動きを常にしている。もしかすると一番凄い奴だ。
私達は健闘を喜びお互い肩を組んで頷くと、甲板上の指揮所で待つ淵田隊長のもとに小走りで向かった。
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