第28話 第二次攻撃隊

キラリ キラリ


本来であれば、空中において見えることのない太陽光の反射を捉えた。


あれは、味方だよな、敵ではないと思うが。


まだ距離は遠く、確実ではないので、翼を振って集合をかける。


我々は3機編隊の2小隊を作り、敵だった場合に備えて、太陽に隠れるように高度をとった。


私は視力に全神経を集中させる。


上空には、太陽光に圧倒された星星が、ホンの僅かにその存在を示している。


そして、遂に第二次攻撃隊数百機が、星星をわたる流星群のように、明らかに姿を現し始めた。


その姿は美しく、厳かで、勇壮。


もし、この場面に相応しい音楽をかけるのであれば、ワーグナーのワルキューレの騎行が相応しい。


攻撃を開始する前の極限まで張り詰めたこの瞬間こそ美しいと思い、そして、何機がそのまま星になってしまうのだろうと寂しく思った。










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