第4.5話

みぃちゃんが脱走して4日目


「ねぇ要…今日もご飯食べないの?身体壊しちゃう…」


「俺が行かねぇと、誰がみぃちゃんを探すんだよ。誰が、誰がみぃちゃんを世話すんだよ!!駄目なんだ。俺が、俺じゃないと駄目なんだ」


そう言って、泣き崩れる要くんを見るのはもう3日目だ。

要くんはあの猫が脱走して、最初の1日からずっとこの調子。

食事を作ってもまともに食べず、みぃちゃんを探しにずっと外を歩いている。

ポスターを作っていろいろな箇所に貼らせてもらったり、周りの道行く人にも聞いたし、SNSでも拡散した。

策は尽くしているから、後は待って居ればいいのに、要は今日も朝から体力が尽きるまで捜し歩きに行く。

こうなると、要くんはもう止められない。

「自分の事にも気を使ってね。みぃちゃん、きっと見つかるから」そう言うと私は泣き崩れる要くんに寄り添った。


1週間目


遂に要くんが倒れた。

仕事中に病院から電話が入り、要くんが倒れたと聞き私は急いでその病院まで向かった。

栄養失調、疲労、不眠、全てが重なり倒れてしまったとお医者さんから聞かされた時、私は自分の過ちに気付いた。

看護師さんたちに押さえつけられながらも「みぃちゃんを探すんだ」と、ベッドから無理矢理起き上がろうとする要くん。


「要くんはちゃんと寝てて?私がみぃちゃんを探しに行くから。要くんがまた普通に歩ける位回復したら、一緒に探そう?ごめんね、今まで。私のせいなのに…私も一緒に探す。だから、無理しないで…心配なの」


気付いたら私は涙があふれていた。止まることを知らぬそれは、頬を濡らしていく。

そんな私を見て、要くんは一言。「ごめん」とだけ言って、ベッドへと潜り込んだ。


「医者は1週間安静にしてたら大丈夫って言ってた。1週間後。絶対行くぞ」


「勿論だよ。一緒にみぃちゃん探して、絶対に見つけようね。」


「当たり前だ」


そう言葉を交わすと、要くんはすやすやと寝息を立て始めた。

余程寝ていなかったのだろう。食事も取っていなかったのか、隈も酷くやつれている。

早くみぃちゃんを探さないと。

大切な要くんの、大切なみぃちゃん。

だったら、みぃちゃんだって私の大切だよ


私はみぃちゃんを探しつつ、家へと帰った。

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