第6話




第6話 水野(みずの)あおい


そして数ヶ月が過ぎて、今日は学園祭当日で、もうじき私達の演奏になる。1年のももえちゃんとみかんちゃんが「星がはじまる」「ゴールライン」の打ち合わせをしている。「星がはじまる」ではももえちゃんがメインボーカルで「ゴールライン」ではももえちゃんがハーモる。逆がみかんちゃんのパートだ。ベースの私、水野あおいは、他の2年生メンバーを見て、安堵した。『ヤれる』顔を全員がしてた。私のベースもノリノリに調整している。観客も日頃、音楽室でハモってるももえちゃんとみかんちゃんの歌声を聞いているから、ソーシャルディスタンスのだけど、満員だった。その時が来た。


幕が閉まった体育館の壇上に、ほむらが手を借りてドラムを設置する。

すみれが退けたピアノの位置に手を借りてキーボードを設置する。

ギターのみどりが、ベースの私が、ボーカルの二人が、みんな準備オッケーだ。

開幕を知らせるブザー音が、体育館内にに響く。


幕があがり演奏が始まった。

途中でみかんちゃんが練習のし過ぎで声を枯らすが、気づかれない様にももえちゃんがリードして、みかんちゃんを最高潮の歌声にと導く。「いつか見たゴールには」「たどりついたかい」幸い、誰もみかんちゃんのミスに気づかなかった様だ。

アンコールを求められるも、みかんちゃんの容態に気づいたももえちゃんと私がノーを突きつけた。


こうして私達の演奏は学校の伝説になった。




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