狂獣病
バブみ道日丿宮組
お題:暗黒の秋雨 制限時間:15分
狂獣病
世界から晴れという季節が消えてはや40年。人間は人工太陽なるものを地下に開発し生活していた。水力発電も今や雨の落下速度で発電する方式に変わり、風力発電や火力発電などは廃棄された。
廃棄された発電所は自然の力なのか雨に打たれると緑の苔に覆われ、自然動物たちの遊び場へと変化した。
そうして自然の力によって地下へと追いやられた人間たちであったが、他の動物達(ペット)がいない生活の場は次第に飽き飽きとして地上へと戻る人間が続出した。
そして密猟を行い地下へと動物や昆虫を持ち込むものも現れたが、人間と違って免疫力のなかった動物はすぐに息絶え悪臭を放った。
地下は雨水が入らないように設計されてるがその一枚向こう側は細菌がこびりついている。さらには人工的な空間のため、人間だけに作用する効果は動物には当てはまらない。逆に生命を脅かす仕組みへと変わった。ペットなどは調整されてることもあり、いくらか増しではある。これに関しては、何世代も時を人間と共に生活してれば免疫力がつくだろうと政府は発表してる。
人間というのは欲望に忠実であり、なんでもやろうとする。そうして産まれるはずの命も誕生することはなく、雨の世界へと追いやられる。
そんな赤ん坊や地下から逃れた人間はやがて自然動物と親密な関係となり、新しい人間を誕生させた。いわゆる獣人である。
様々に生まれた獣人たちは地下への報復を次第に計画するようになる。
10年前ーーライカンスロープ事件がその始まりだ。
外気から身を護る術を失いつつある人間たちは、獣人に噛まれることによって狂獣病に感染し、その身体に変化をもたらした。外見として毛が生えやすくなる、歯が尖ってくるなどの症状が次々と人間たちを襲った。
5年前にはワクチンが完成し、獣人化が中途半端になった半人間たちがたくさん生まれ迫害を受けるようになり、自然と獣人たちと交流を持つものが増えた。
そうして現在私たち半人間は、地下に再び狂獣病を振りまくために、暗黒の外世界から液体のように地下へと戻ってきた。
狂獣病 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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