あるある
バブみ道日丿宮組
お題:ありきたりなヒロイン 制限時間:15分
あるある
「さぁ私と結婚しなさい!」
転校生は自信ありげに自己紹介をした。自己紹介? 事故紹介だな。
「あの……自己紹介をお願いします」
あぁ担任が困り果ててきた。
「聞いていますの、そこのあなた!」
「……誰?」
「あなたですよ」
近づいてきた転校生はオレの席まで近づいてきて指差し。
効果音が輝きそうな動きだ。
「……だから誰?」
クラス内がざわつき始める。
当然だ。いつもクラスで一人ぼっちのフレンズないやつがいきなり異性に告白されたとなっちゃ黙っていられないだろう。
お人形みたいに可愛げのある顔と、特徴の金髪。そして瞳はスカイブルー。こちらの全てを見透かしてしまいそうだった。
「あなた忘れてしまいましたの? 子供の頃約束しましたでしょ!」
ふんと腕組みされた。
約束……ね? なにかあったかなと視界を塞ぎ考える。
見えてくるのはいつも1人でいる少年のなんてこともない痛い記憶。
でも……そこに天使のような光を放つ少女がオレに手を差し伸ばしてた。
「ほら、安心しなさい。私は敵じゃないわ」
「……驚いた。記憶にある同じセリフをいってる」
「当たり前でしてよ、それが私なのですから」
下から上まで確認してみても、記憶にある少女に結びつかない。
記憶にあるのは圧倒的にお姫様のような姿。今のように偉そうにふんふんいってない無垢な子であった。
「同じには思えない」
「いいですわ。すぐに思い出させてあげます」
にっこりと笑った転校生は空いてる席へと向かい、朝礼は終わった。
その後は質問付けされてた。
まぁ……オレのところには1人として来なかったんだけどね。
どうでもいいかーーそう思いたかったが……。
「なんで家にいるんだ?」
「今日からここに一緒に住むのでしてよ」
ナニイッテンダコイツ。
「えっ母さんたちが黙ってないだろ!」
「許可は取りましてよ」
ため息を付きつつ現実逃避を開始し、部屋に入ってみれば……、
「なんだこれ?」
「私と同室ですのよ? 不満かしら?」
不満とかそういう状態じゃないだろ!
部屋にあったタンス、洋服だなどこいった!? いや、姿見とか知らないのはあるが……?
「……この部屋にあったのは?」
「空き室に移動しましてよ」
「なら普通空き室にいかないか……?」
「婚約者なら同じ部屋でも構いませんよね?」
つぶらな瞳で疑問を返されてもな……。
「……勝手にしろ」
どうにもできそうもないことを理解してオレは空き室に向かった。
あるある バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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