六話
距離を取って数本の光の矢が作り出され、複雑な軌道で飛んでいった。
それを向こうにいる青年ーーロイドが難なく躱し、または撃ち落としてお返しとばかりに氷の槍を一本、高速で撃ち出してくる。
薄紫のした半透明の防護魔法を作るが貫通される。けど減速したため少年ーーコリンも危なげなく最小限の動作で避けた。
その間にロイドが距離を詰めてくる。片手に持った剣でコリンを斬り捨てようと僅かの間に肉薄する。
コリンはもう一度防護魔法を展開して防御する。槍と違って剣の一撃は受け止められる。ガキンと音が響く中でコリンは大きく距離を開けた。
さっきから似たような戦いをかれこれ十分以上は繰り返している。戦闘が始まって数分してからコリンは徹底して近接戦を避けていた。
(うーんこいつ、結構えげつない)
それがコリンの抱いた感想だった。
最初はコリンも細剣でロイドを狙っていたが、鍔迫り合いになると体格差、剣の重さで押し負けるし、何よりロイドが全く容赦なく急所ばかり狙ってくるのだ。
しかも剣速が速く、戦い慣れているのか一切の躊躇いがない。ヒヤリとしたのも一度や二度どころではなかった。バノン第一隊長とはまた違う意味でやり難い相手だった。
魔法戦ならこちらにも分があると踏んで中距離からの矢の撃ち出しに専念していたがーー気付けば屋敷の敷地から大きく離れて、今は街の中心、大通りにまで来ていた。
別に何処で戦ってもコリンとしてはそこまで問題ではないが、見学している住民達がちょっと邪魔だった。
アラゴンを取り囲んでいた警備兵がここまで同行して避難を呼び掛けているが、減るどころか増える一方である。魔法を使った戦闘が珍しいのは分からないでもないが、当たったらどうするつもりなんだろう。
中には「お兄ちゃん頑張れー」と応援している子供の姿まである。つい最近、ロイドは数回ほどしか街に現れていないのに凄い人気ぶりだ。
というか、変異種にここまで好意的に受け止めているのはかなりおかしい。この街の人達は頭がちょっとどうかしているのだろうか。
もしもコリンも同じ立場だったら、果たして同じように声援がくるのだろうか。少しだけ思考を掠めるが、直ぐに詮無いことだと考えを振り払って目の前の相手に集中する。
剣の間合いから外れたことで、ロイドもまたパチンと小気味良く指が鳴らして氷の槍を生成して真っ直ぐに飛ばしてくる。
(……やっぱり、魔法の腕は大したことないね)
けれどその間にコリンも光の矢を一本だけ作り出して槍を撃ち落とした。空中で小規模の爆発が発生する。
魔法の戦闘になってから直ぐに分かったが、ロイドは変異種の割に魔法の熟練がそこまで無いように感じられた。
コリンみたいにまだ手の内を見せていないだけかもしれないし、得手不得手もあるが、ロイドは今のところ一つの属性しか使用してこない。
(おまけにさっきから、手にしか魔力を集中させていない……起動も効率悪すぎ)
指を鳴らすのが魔法を使う時のトリガーらしいが、その所為でタイムラグが発生してしまっている。
生成から射出までの速度と威力は一般の魔法使いと比較して驚異だが、コリンにしてみればかなりの猶予を与えてくれている。
氷そのものもそうだ。貫通力は凄まじいが、物理に特化していて他に魔法的な効果が付与されてもいない。
(誘導性もないし……出来ないのかなぁ。それとも、ブラフ?)
いや、虚偽の可能性は低いとコリンは判断する。バノンに言われたからか知らないけど、ロイドは大通りに出てからずっと、建物の損壊や住人の被害を気にしているのか攻勢に出る時は最大でも二本くらいしか槍を作っていない。
ギャラリーがちょっと邪魔だと思っていたが、ロイドの方が魔法に制限がかかっているのだからコリンにとっては好機である。
爆発の合間を縫ってロイドが突っ込んでくる。その速度は尋常じゃなく、少しでも油断しているとあっという間に剣の間合いに入ってしまう。魔法は大したことがなくても、身体能力はずば抜けていると言えた。
(第一隊長も大概だったけど、こいつも本当、どうかしているよ)
そう言えば、大通りに出てからバノンの姿は見ていなかった。
コリンとロイドの戦いに邪魔が入らないように今も牽制を続けているのだろうか。二人の戦闘に割って入れる人間は少ないと思うが、力量も分かっていない馬鹿が突っ込んでこないように見張っているとしたら、少し効率が悪いような気がする。それとも、コリンの知らないところで別のことでもしているか。
思考が少し逸れている間にロイドが間合いを詰めてきた。コリンはまた防護魔法を発動させて身を守るが、さっきから守っていないと首や頭を中心に狙ってくるの、どうにかしてほしい。
(ここまで迷いなく攻撃してくるけど……一体どんな人生を送ってきたの?殺す気満々なんだけど)
普通なら相手に刃を向けても殺すかどうかで動作が鈍る。この街の警備兵が良い例だ。彼等は対象を捕まえることが優先で、必要以上に傷つける行為に慣れていない。第一隊長の、うっかりすると人が死にそうな動きは一旦放っておいて、彼自身も殺すことよりも捕縛することを念頭に置いているはずだ。
だがロイドは捕まえるとかそれ以前の問題だ。コリンが防御を展開していなかったら既に十回は死んでいる。
(いやまぁ、僕の魔法も当たったら死ぬからおあいこだけど、こいつ当たらないなぁ)
光の矢が着弾した時点で爆発もするから、手足に当たっただけでその部位が千切れ飛ぶ。コリンの最も得意とする魔法も大概えげつなかったが、今のところロイドに当たる気が全くしない。
(さっきも全弾撃ち落とされたし……この暗闇でよくやるよ。そろそろ、戦法を変えた方がいいかな)
そう考えて早速行動に移す。片手の平に光を集め始める。
ロイドが何かを察して攻撃を仕掛けるが、少しだけ遅い。
眼前まで接近してきた顔に向けて、光を溜めた手を突き出して魔法を発動させた。
暗くなっていた大通りに強烈な閃光がほとばしる。
見物していた周りの人達も、小さな悲鳴を上げて目を押さえている。ロイドも同様に片腕で目を庇っていた。
その隙に距離を大きく空けて一気に大量の矢を作り出した。大通り中を照らす勢いの真っ白の矢が、コリンの頭上に展開されていく。
ロイドの視力が回復する前に、数十以上の魔法の矢が一斉に射出された。何本かは一直線にロイドに飛来するが、殆どの矢が乱軌道を描きながら背中を、頭上を狙っていく。
制御するコリンの体力、精神力もギリギリに追い込まれていく。普段は疲れるからしないが、これくらい派手でないと青年に傷をつけるのは無理なんじゃないかと思って踏み切った。
(うわ、やっぱりこの身体だとキツいなぁ。……でも、これでどうだろう?)
全方位から矢がロイドに集まってくる。あと数メートルもすれば当たる、と思った時ーー。
ロイドの周囲、地面から高さ三メートル以上はある氷の塊が一瞬で生えてきた。
厚さも相当なもので、壁と化した向こうの人影がぼやけているくらいだ。
矢が次々と壁に着弾していく。爆発音が連続で鳴り響き、大通りに反響して凄まじい轟音に変わった。
「…………えぇー」
コリンは思わず声を漏らす。折角頑張って作ったのに、こうもあっさりと塞がれては不満の呟きも出したくなる。
というか、先程まで手に魔力が集中していたのに地面から氷が生えてくるなんて聞いていない。荒削りな氷の形を見る限り得意ではないのは分かるが、足元にも魔法が設置できるなんて少し甘く見ていた。
ヒビが入った壁が徐々に亀裂が走り、完全に砕け散る。
その向こうから見えたロイドは無傷だった。涼しい顔をしてコリンを油断なく見据えている。視力も完全に回復したみたいだった。
対してコリンは息が上がり始めていた。ずっと魔法を使い続けているのも原因だが、元々この身体は魔力量に反して体力が少ない。外見が同じ年頃の少年少女に比べれば多いとは思うが、規格外のバノンや変異種のロイド相手だとかなりキツい。
このまま持久戦だと追い込まれるな、と思うが、別に構わないか、とも思う。出来るなら勝ちたいが、負けたら負けたで仕方がない。
それよりも、もう少し戦闘を楽しみたい。どうせなら力尽きるまで戦ってから敗れたかった。
そう考えている間、好機だというのにロイドは仕掛けてくる様子はなかった。鋭い視線はコリンを捉えているが、仕掛けてくる気配がない。
「…………あれ?どうしたの?」
怪訝に思って知らず口を開いたが、ロイドは無言のまま何の反応も示さなかった。
ーー実はロイドも、体力の面で不安を感じていたのだ。
魔力はまだまだ余裕があるが、ここまでの間に怪我をするわ慣れない獣に騎乗するわ道中邪魔な魔物を撃破し続けるわで、結構な体力を消耗していた。
ここ最近は魔物狩り以外、まともな運動もしていなかった。連日ーー最悪の時は連夜ーー任務に明け暮れていた日々を思い出せば驚くほど運動量が減っている。
おまけに目の前の少年が意外にもしぶとい。当初は短時間で仕留める気でいたが、ここまでちょこまかと回避しながら応戦してくるとは思ってもみなかった。近接戦はさけている節があるが、魔法の扱いは驚嘆に値する。
お陰で最初の地点からかなり離れてしまった。レティが巻き込まれる心配がなくなったのはいいが、今度は市街戦になったから周りの住人達に被害が出ないように立ち回るのは骨が折れる。
その点、少年は計算しているのかどうなのか器用に魔法を扱っていた。それもまたロイドは素直に感心する。
正直、このまま戦い続けても不毛に感じ始めていた。ロイドが目下気に入らないのは、レティをあんな目にあわせた奴とロイドの背中を刺した奴だけだ。アラゴンという男を含め、他はどうでもいいとさえ思っている。
「……おい。そろそろ止めにしないか?ここまでやって勝負はつかないんだ。義理は……果たしただろ?」
ロイドの意外過ぎる提案にコリンは目を見開く。
てっきりまだ続行するかとか言われるのかと思いきや、予想外の発言だっだ。かなり戦闘慣れしているから、好戦的なのかと思い込んでいた。
「えぇー…………いや、うんまぁそうだけど……折角良い勝負なんだからさ。もうちょっと付き合わない?……ほら、第一隊長さんとも言ってたじゃん。交代って」
むっとした感じでロイドは押し黙った。確かにそう言ったけど、もう別に良いんじゃないかと思っていた。向こうも肩で息をし始めているから、後はバノンに任せても問題ないような気がする。
ただ、近くにバノンの姿が見えない。少年の言った通り捕まえるまでは続けた方が良いのだろうか。もしまだ牽制のために踏み留まっていたのだとしたら、確かに最後まで戦う必要が出てくる。
どうすべきか考えていると、かなり後方から複数の足音が聞こえてきた。
聞き覚えのある足音にヨロヨロしている足音。ついでに獣が歩く音も聞こえてきたため、ロイドは肩の力を抜いた。
「いや、悪いが俺はここまでだ。捕まえるのは本分じゃないし、テメエには別に恨みもない……後は警備兵の仕事だろ」
コリンも気付いてロイドの遥か後ろに視線を遣る。
タイミング良くバノン第一隊長がこちらに向かってきた。
だけど、
「…………なんか、滅茶苦茶疲れてるように見えるけど……僕の気のせい?」
かなり困惑したコリンの声に、ロイドも慌てて肩越しに後ろを見た。
ロイドの聞いた音の通りに歩いてくる影は三つ。
一つはラフィで、一人の人物にピッタリとひっついている。特段変わった様子はない。
ラフィにひっつかれている人影はマースだ。今もなおレティを抱えているのはまぁ仕方がないとして、何故か分かりやすいほど疲労困憊していた。足音も頼りなく、いつレティを取り落とすかヒヤヒヤしそうなくらい顔に生気がなかった。
そして最後、先頭を歩いている人影はバノンだ。地面を踏み締める音は普段と同じだが、コリンが言うように顔には疲労が見え隠れしている上に息は軽く弾んでいる。滅茶苦茶と言うほどではないが、ロイドとコリンと同程度の体力が減っているのは明らかだった。
見た目が変わらない人影はレティくらいだった。ロイドのマントにすっぽり覆われて顔しか見えない。一番体力を消耗した状態だが悪化していないみたいで、ロイドは内心で胸を撫で下ろした。
大分近付いた辺りでバノン達の足が止まった。戦況を確認するためロイドとコリンを交互に見ていたが、やがてやれやれといった調子で口を開いた。
「むぅ、まだ勝敗は決まってなかったか。こちらはほぼ片が付いたというのに」
「…………」
「…………」
コリンとロイドは思わず無言で目を見合わせた。合流して早々、気になる点をどちらが指摘するかとお互い確認し合ってしまった。
コリンがゆっくりと目を逸らしていく。聞きたいような聞きたくないような雰囲気がそこにあった。
それを見たロイドは溜息を堪えながらバノンに訊いた。
「姿が見えないと思っていたら……何処で一体何が片付いたんだ?」
「残党に決まっているだろ。他に何があるんだというのだ?」
「……ほぼ、というのは?」
「悔やむことにアラゴンには逃げられた。貴殿らが屋敷を出た瞬間を見計らってな。追い掛けさせたが撒かれたみたいでな」
「そんなのオッサンが追い掛け……いや、そうか」
「うむ。だが、このままでは面目が立たなくなる故、目に付いた奴等を片っ端から捕縛することにしたのだ」
「……ちょっとしつもーん」
コリンが片手を上げてバノンに質問を投げかけた。口の端が若干、引きつっている。
「僕達、そこの変異種を捜索するのに街中に散らばっていたと思うんだけど、どうやって見つけていったの?」
「……むぅ、実はその点でロイド殿に謝罪を……。放っておくには危険が伴うので、レティ殿にも」そう言いながらマースの背中をバシッと叩く。
「付いてきてもらったのだ。私は隠れてレティ殿だけ歩いてもらったのだ。彼奴ら、面白いくらいに釣れていったぞ」
ロイドはレティにチラリと目を遣ると、彼女は小さくフルフルと首を振っている。
レティが歩いたのではなく、レティを囮にマースが歩き回った、ということだろう。単にマースのことが眼中にないだけで。
「だが、彼女を危険な目に合わせてしまった。申し訳ないと思う」
「…………そうか」
確かに、もしレティが危ないことになっていたらここまでしてきたことは徒労に終わってしまう。文句の一つも言ってやりたくなったが、バノンの折り目正しく詫びる姿勢を見て気勢が削がれた。
「ということは何?その子を使って街中を駆け回ったの?この時間の間に?」
「……どうなんだ、ラフィ」
ロイドはかなり小さな声で呟く。聞きつけたラフィは一目で分かるほど呆れた態度を返してきた。
『確カニ、相当ナ距離ヲ回ッタ……早カッタ』
「…………そうか」
ロイドがラフィに確認している間、バノンも答えを口にしていた。
「無論だ。残りは貴殿を含めて三人だな」
「……マジ?」
コリンは口の端だけでなく顔面が引きつっていくのを感じた。僅か十分と少しの間に全部捕らえたと言うのだ。
この街、全然狭くないんだけどー、とやけくそ気味に考える。裏路地を含めてどれだけ走ったのやら。それでまだ喋れる気力があるのだから畏れ入る。隣の警備兵がヘトヘトな方が共感できた。
まぁ、あんな弱そうな警備兵が少女を担いで疲れ切った顔でウロウロしていれば、取り返そうとぞろぞろ集まってきたのは想像に難くない。面白いくらい釣れただろうな。
何だかこのまま勝負を続けるのも馬鹿らしくなってきた。バリーの部下は殆ど全滅した中、コリンだけ頑張っても結果は同じだ。
「……あーうん、さっきの提案なんだけど」
コリンが口を開くと全員の視線がこっちを向いた。住民達までもが見てくるのが居た堪れない。完全に四面楚歌の状態だ。
「戦うの、止めよっかって思うんだけど……帰っていい?」
帰るところなんか何処にもないけど、後は野となれ山となれ、だ。このまま帝国に逃げることも視野に入れる。
「……あんなことを言っているが、どうする?俺は正直、こいつとやり合う理由が消えたから交代したいが」
「……ふむ。私としては捕まえたい所だが、ここはロイド殿と交代したからな。引き続き頼みたいが」
「断る」
「なら、仕方がない。私が相手しよう……すまないが、大人しく捕まってはくれないか?悪いようにはせぬ…………貴殿の名は何と言ったかな?」
「…………コリンだよ」
「そうか……ではコリン殿。先も言ったが悪いようにはしないのでここは一つ、黙って捕まってくれないか?」
「……その顔で言われても、説得力皆無なんだけど」
むぅ、とバノンは唸るが、どこの世界に強面のした強者が言う穏便という単語を信じられるというのか。ここで殺すと言われた方がよっぽど違和感がない。
三者共、沈黙してしまう。お互いがそれぞれ様子を窺い動けなかった。
周りで見ていたギャラリーも黙って成り行きを見守っている。いっそ誰でも良いから落とし所を見つけてくれよとコリンは内心でぼやいた。
静寂な夜の空気だけがこの場を支配していた時ーー。
突然、遠くから鐘の音が鳴り出した。
「……何だ?」
ロイドが怪訝な表情で音の鳴った方角を見た。かなり遠くだが、南の森がある方角から聞こえてくる。
鐘なんてこの街に来てから一度も聞いたことがない。こんな遅くまで出歩いたことがないから今だけ鳴るのかもしれないが、一方向だけ鳴っているのは不思議だった。
急に辺りがざわめきだした。ヒソヒソと住人が囁き合っている。殆どがロイドと同じ不可解といった感じだが、中には恐怖で顔を青くしている者もいる。
「これは……」
コリンも不思議そうに音が鳴った方を見ていたが、少しだけ表情が固い。何か知っているのか。
と、バノンが一目散で走り出した。その走りは疲れなんて微塵も見せず、力強く鳴った方に向かっていく。
「おい、どうした?」
ロイドが呼び止めようと声を掛けるが、それよりも早くバノンが走りながら大声で叫んだ。
「魔物だっ……魔物が襲来したのだっ!……警備兵一同、南門に集まれ!残りは市民の避難を行えっ!!」
バノンの号令に、近くにいた警備兵が慌てた様子で散っていった。何人かがバノンに続き、幾人かがそれぞれ別の方角に去っていった。多分、屯所や捜索に出ている警備兵を呼ぶためだろう。
ロイドは小さくなっていくバノンの背中を唖然として見送っていたが、直ぐ様意識を切り替えて後ろを追い掛けた。
ーー森から、魔物が!?
何故いきなり魔物が森から出てくる事態になったのか。レティの不調と何か関係があるのか。
分からないが、森の方角はロイドとレティ、ついでにラフィも帰るべき家がある場所だ。放っておく訳にもいかなかった。
バノンに追いつくために全速力で駆け出す。
一人取り残されたコリンは、このままどさくさに逃げようかなぁと考えていた。
が、何を思ったのか、何故かロイドの後を更に追うために足を動かし始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます