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本当に妹の為にギャルになるよう徹して、自分のことそっちのけで妹の友達探しをしていたんだろう。
元々の友達とはつるめているんだろうか?
佐藤の人生なのに、佐藤はそれで後悔することはないんだろうか。
細かい仕草や、メイクやネイル技術、声も……佐藤が一から努力して吸収したんだろうか。
としたら本当に、努力の底が知れない。
その短期間でどれだけの人を観察して、技術も振る舞いも吸収してきたんだろう。
「佐藤って」
「うん?」
「すごくすごく……頑張って来たんだね」
その言葉に、反らされていた瞳にようやく私が映り込む。
「……なに、言って、」
「自暴自棄になったっておかしくない状況の中、それでも佐藤は妹の為に出来ることを必死に探してきたわけでしょう?罰だなんて、佐藤と事故のことは関係ないことじゃない。それで自分を責めて来たの?今もそうなの?」
「……」
「今も自分のせいだなんて思ってるなら、私は怒るから」
きっとその出来事が、佐藤に呪いのように絡み付いて、開放させてくれていない。
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