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「う、うるさい!ガラ悪い野郎だとクソ野郎にしか集まってこないから、そしたら女は逃げるだろっ」
どうやら、ヤンキーだった割にはシスコンだったらしく、それも愛情表現が凄まじくへたくそというギャップ。
かわい……いや、不謹慎かもしれないけれど、そんな佐藤も嫌いじゃない。
「人間関係の選び方、すごく勉強して……頭良さそうに見せられるならそうしたけど、さすがにそれは無理だったから、コミュ力おばけを参考にして……」
「それで、行き着いた先がギャルか」
その結果のギャル化。
いや、それで丸二年間もギャルを続けられて、誰にも気付かれることなく三年目に突入出来てるんだから、もはや正解だった説すらあるのかもしれない。
私なら男装を四年もバレずに続けろと言われたら一ヶ月以内に音を上げる気がする。
そう思えば、佐藤の決意は本物だったとしか言いようがないだろう。
努力の方向性がちょっとおかしいけれど。
「それで実際、佐藤は女装癖はあるの?そこのところ一番気になってたんだけど」
「心も体も野郎で恋愛対象は女だよ」
「なるほど」
佐藤の中身は完全に男だった。
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