15



眠ってしまいそうだから湯船は張ることなく、シャワーだけ済ませてから着替えて出た。


すると出迎えた佐藤が勝手にベッドに座っていた。


まぁ確かに床は痛いだろうけれど。




そんなことより、さっきまであった髪の毛がバッサリ無くなって、スウェット姿になっていたことの方に全ての注意が奪われた。


あの髪、ウィッグだったのか。


ウィッグとっても赤いのかお前。




「上がった。褒めて佐藤」


「えー、ノーリアクション?まぁいいやドライヤー持ってきてよ、ここ座って」


「違和感が凄まじいからもう男モードでいいよ」




佐藤が自分の足の間にある床にクッションを移動させていたようで、どうやらそこへ座ったら髪を乾かしてくれるらしい。




「着替えあったの?」


「持ってきたの」


「ねぇ、一応聞くけど、泊ってく気じゃないよね?」


「泊ってってほしい?」


「いや、寝る時には帰ってほしい」


「今日は帰る気でいるけど、ただちょっと頭が鬱陶しいままなのが嫌だったからついでに着替えただけ」




なぜ着替えをわざわざ持ってきたのかは謎なんだけど。


まぁいい、佐藤が乾かしてくれるというなら私は楽が出来るから。




「のどかお前、ちゃんと化粧水と乳液付けた?」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る