反逆のボルケリア 

@ready

#1

○配役

男3

女1

不問3


〇キャラクター

ヒビキ・タスク:男、臆病な性格。戦闘時には冷酷な性格に変化する。


シドウ・セイジ:男、水面下で計画を進めている。


イカルガ・メイ:女、アイランドXの司令。


幹部:上層部シャングリラの幹部。


オペレーター:アイランドXの索敵担当。


ファルコ・メイルス:男、人間離れした性格。


ナレーション


※時間は30~40分目安です。アドリブ、改変禁止。




ナレーション:人類が太陽系を越え銀河系に進出してそこからさらに数世紀、

未知の生物が出現し数多の星々を蹂躙。

人類は瞬く間に力を無くし僅かな人口を残し、

母なる星である地球で人類存亡をかけた泥沼の戦いを続けていた。


タスク:3年も経つけど、ここは変わらないな。でも…この島も例外じゃないか。


セイジ:そう…それがこの島いや、世界全体の現実だ。

久しぶりだな、タスク。


タスク:第三惑星・衛星軌道監視…その全ての任務を終えたよ、セイジ。

渡すモノがある…君が知りたがっていたモノだ。


イカルガ:よく戻ってきてくれました、タスク。


タスク:まだ、生きてくれている事に安堵しています。司令、これを…。


イカルガ:…やはり、間違いないのですね?


タスク:はい、このデータを見る限り彼は実在してました。


セイジ:完全に都市伝説だと思っていたけど本当にいたのだな。異端者が…。


イカルガ:異端者ファルコ・メイルス。

特殊な条件下で無意識に発動する異常なまでの生存能力…

絶対的不利な戦況を覆して必ず生還する不死身の男。


タスク:そして彼が使用していたヴァルケリオンと呼ばれる機体。

この存在をゴルバルが警戒しているのは確かです。


ナレーション:ゴルバル。過去の地球人類を滅ぼした災厄であり、

古代の生物をベースに体の一部に結晶物を持つ生物である。


セイジ:ちょっと待て。タスク、確かですって何で現在形だ?


タスク:ファルコは…コールドスリープで肉体の機能を凍結して、

現代まで宇宙空間を漂っていたんだ。


イカルガ:タスク、それでヴァルケリオンの所在は確認できたのですか?


タスク:いえ、残念ながらヴァルケリオンのほうは発見できず現在も探索中です。

ですが、ファルコのコールドカプセルは2日後に地球の軌道に入ります。

そのカプセルを回収できれば何か解るかもしれません。


セイジ:司令、例の機体を…急がなければなりません。


イカルガ:あれは…危険すぎます。

パイロットの適性もありますがあなたは

あの暴走事故を忘れたのですか⁉

セイジ!


セイジ:くっ…


タスク:機体って、まさか…


セイジ:対ゴルバル用決戦機動兵器…ボルケリア。あれを…


イカルガ:しかし、ボルケリアは欠陥機です。

設計思想はもといマーク・アルファを始めとした5体のプロトモデル…その5号機、マーク・イプシロンが引き起こした暴走事故、

この一件を鑑みてボルケリアの実戦配備は承認できません。


セイジ:ですが司令!ゴルバルが大挙してきたら、我々の戦力は皆無なのですよ!


イカルガ:自動防衛システムで対処します。


セイジ:それでは何も状況を打開できません‼


タスク:やめろセイジ、言葉を慎め。


セイジ:なら、手をこまねいて見ていろというのか⁉タスク!


イカルガ:いい加減になさい‼

私は…私の責務は今日まで生き残った全ての人間を守らなければならない。

戦うための力は確かに必要です。だけど…

人の命を喰らう機体に…あなたの1つしかない命を本当に預けられるのですか⁉


セイジ:…


タスク:司令…


イカルガ:人間、誰しも命は1つしかない。

本当にどうしようもない世界だけど誰もが後悔しないように生きようとしている。

ひっそりとでもいい…愛する人と結ばれ子を育み、

少しでも人類という種を後世に残すために。

そんな人を戦場に行かせるなんて…私にはできない。



○休憩室にて



セイジ:タスク、君はこの世界に未来があると思うか?


タスク:それは…


セイジ:司令の言う事もわからなくはない。

だけど…いずれにしてもこのままでは遅かれ早かれ人類は終わる。

この平和もそう長くつづかない。


タスク:俺は…逃げたかったのかもしれない。

心のどこかで、あやふやだけど気付いていたのかも…

いくら逃げても必ず終わりはくる。怖い…怖いんだ、戦うのが。

恐怖を乗り越えることができるなら…

覚悟が持てたら…俺は。


セイジ:ヒビキ・タスク、君に見せたいモノがある。


タスク:なっ!これは…


セイジ:5体のプロトモデルのデータを基礎に新たに建造した

新型のアサルトモデル…その1号機。

ⅤX‐A01Z(エー・ゼロワン・ゼット)

ボルケリア マーク・ゼラフィム。


タスク:お前…司令はこれを知っているのか?


セイジ:この機体の存在は極秘事項で司令はこの事を知らない。

僕は…ある極秘文書の啓示に従ってこの機体を建造した。

既に2号機以降のマーク・ゲルビムからマーク・エンジェルまでの建造計画も

決定している。


タスク:お前は…何を考えている?お前の目指す先には何があるんだ?


セイジ:僕が目指すのは人類の救済だよ。

ファルコの存在が明らかになった以上、ボルケリアと異端者の力は絶対に必要だ。

タスク…このマーク・ゼラフィムは君の望むモノを叶える事ができる機体だ。


オペレーター:司令!南西20キロの海上にゴルバル出現!こちらに向かってきます!


イカルガ:総員、第一級戦闘態勢。居住ブロックを全閉鎖、

全ての武装の無制限使用を許可します。


オペレーター:17番から32番の配置完了、誘導弾セット完了しました。

モニター出します。


イカルガ:ん!これは…


オペレーター:…デ、データ照合、バゼットクラスです!


イカルガ:大きい…敵が射程距離に入ったら攻撃開始、弾が無くなるまで撃ちなさい。


オペレーター:敵、有効射程距離に入りました!


イカルガ:全砲門、攻撃開始‼


セイジ:くっ…戦闘が始まったか!タスク、ボルケリアに乗るんだ。


タスク:な、何を言ってるんだ⁉


セイジ:タスク、マーク・ゼラフィムは専用に調整されている。

だから君にしか乗りこなせない。


タスク:はぁ!?なんだよ、それ!俺は嫌だ‼


セイジ:そうやってお前は、また逃げるのか!?解っていたんだろ!

アイランドXの防衛システムじゃ守れない。

今度は…本当に全部、無くなるかもしれないんだぞ!


タスク:全部…無くなる…。


オペレーター:防衛システム、75%ダウン!もう、もちません‼


イカルガ:まだよ!まだ終われない!こんな所で終われないのよ‼


セイジ:くぅ…!ここも限界か!


タスク:わかったよ…乗ればいいんだろ!


セイジ:すまない…タスク。


タスク:これが…マーク・ゼラフィム。うっ!痛ッ…。


セイジ:痛みは一瞬だ、お前の体にマーク・ゼラフィムの因子を注入した。

操縦は無意識の内に体が覚える。


タスク:今、わかった気がする。俺の意識が…

マーク・ゼラフィムにもっていかれるっ…。


セイジ:意識をそのままマーク・ゼラフィムに預けるんだ。

ゴルバルの精神攻撃に耐性を持たせる。


タスク:意識を…預ける…意識を…。やるぞ、セイジ…ゴルバルを撃退する。


セイジ:了解、ボルケリア マーク・ゼラフィム発進位置へ。

意識が切り替わった瞬間、マーク・ゼラフィムのコアに異常な数値がでた。

これがオリジナルの力か。


オペレーター:これは?司令!アイランドX北部のゲートが開いてます!


イカルガ:何ですって⁉


セイジ:司令、ボルケリアを戦線に投入します。責任は僕が取ります。


イカルガ:何をしているの!?こんな!


タスク:申し訳ない、司令。

それでも俺は、もう何も…無くさない。

マーク・ゼラフィム、出る‼


イカルガ:こんな…こんな事は、誰も望んでいない!

ごめんなさい…私は…あなたの子を戦わせてしまいました。

アキさん。


タスク:母さん、俺は…戦う事にした。

定められた運命に抗い続ける…それが俺の戦いだ。

ん!こいつは何を?


セイジ:答えるな!やつらの精神汚染が襲ってくるぞ!


タスク:空っぽの言葉で問うのか…。で、それだけか?


セイジ:すごい…対等に戦っている。タスク、背面のブラスターライフルを使え!


タスク:ブラスターライフル?…これか。


セイジ:照準はオートでロックする。マーカーが赤になったらトリガーを引くんだ。


オペレーター:つ…強い。


タスク:…動きすぎたな、そこだ。


オペレーター:反応消失…敵の撃破、確認しました。


イカルガ:あれが…悪魔を狩る天使の力。


セイジ:撃破確認、もういいぞ。タスク。


タスク:はぁ…はぁ…はぁ…。うっ!俺は…いったい何を?


セイジ:因子の反動で一時的な記憶喪失になってるだけだ。直に元に戻る。


タスク:あぁ…すごく…休みたい。


イカルガ:タスクは?


セイジ:バイタルは安定値で今は眠っています。


イカルガ:そう。


セイジ:先に司令室に戻ってます。


イカルガ:ごめんなさい、タスク。

あなたに重い宿命を課してしまいましたね。

でも、今は安らかに…お眠りなさい。



○会議室で軍法会議



幹部:シドウ・セイジ、

貴官はマーク・ゼラフィムを実戦に投入したとあるが間違いないかね?


セイジ:はい、間違いありません。

敵ゴルバルとの戦闘でアイランドXの防衛システムの約7割が

敵の攻撃によって損壊、アイランドXの壊滅を防ぐために止むを得ず

マーク・ゼラフィムを投入した訳であります。


幹部:今回の件で我々シャングリラは大変、混乱している。

当初、予定していたアサルトモデルの実戦配備を

大幅に見直さなければいけなくなった。

数も揃っていない状態で計画を進めるのは極めて危険だ。


セイジ:承知しています。ですので一刻も早く全てのアサルトモデルの完成を…


幹部:計画変更は決定事項だよ、早期にマーク・ゼラフィムを投入した

影響はあらゆる方面で出ている。


セイジ:では、アサルトモデルの量産計画は?


幹部:無論、中止だ。

現段階で建造中の2、3、5号機は予定通り進めたまえ。

ところでパイロットの方は?


セイジ:そこに関しては問題ありません。

候補者は予定通り既存の機体に搭乗させます。


幹部:そのことではない、マーク・ゼラフィムのパイロットだよ。

報告にあった映像を見させてもらったよ、

意識を機体側に支配されてる様ではないか。


セイジ:現在、数回の連動テストを繰り返し機体側からの支配機能を

克服しつつあります。

次回の戦闘時には問題ないレベルです。


幹部:よろしい。では、後の事は任せる。


セイジ:…ふぅ、まだ情報が漏れた様子はないか。

6番目の原初の存在にしてシャングリラへの切り札…

エボリューション・モデル。鍵となるのは…


イカルガ:セイジ、メディカルルームに来なさい。

ファルコがコールドスリープから目覚めるみたいよ。


セイジ:わかりました、すぐに向かいます。


タスク:いよいよ目覚めるのか。


イカルガ:では、始めます。体温、脈拍、全て正常値…凍結ロック解除。


タスク:彼がファルコ・メイルス…不死身の男。


ファルコ:俺を目覚めさせたのは…お前達か?


イカルガ:そうです。ファルコ・メイルス。


ファルコ:俺の時代ではないようだが、なるほど…コールドスリープで

眠っている間にかなりの年数が経過したようだな。

あぁ、だが…奴らがいるという事は…仕留め損ねたか。


セイジ:やつら?まさか、生身でゴルバルを感じる事ができるのか?


ファルコ:どうやらそういう事らしい。ところで…今は何年だ?


タスク:西暦3150年だ。


ファルコ:ほぅ、西暦とはね…

どうやら予想以上に人類は危機的状況にあるようだね。


イカルガ:ファルコ、あなたには聞きたい事が山ほどあります。


ファルコ:無理もないな、さて…どこから話せば良いものか。


セイジ:まず、ゴルバルについて聞きたい。

ゴルバルとは何かを…。


ファルコ:そうだな…あれを一概にまとめるのは難しいが、

一言で言えば…抑止力、と言えばいいか。


タスク:抑止力?どういうことだ?


ファルコ:もう少しわかりやすく言えば、掃除屋か。


イカルガ:…余計にわからない。


ファルコ:ゴルバルとは本来、惑星の一種の防衛システムなんだよ。

一つの種族が文明を築き繁栄していくのが世の流れだが…

過剰なまでに力を持ってしまった場合、惑星はそれを危険と判断して

防衛プログラムを実行する。

これは種族の異常なまでの早すぎる文明の発達を抑制するための行為だ。

つまり君たちは今、この星そのものを敵に回しているという事なのだよ。


セイジ:星、そのものが敵…


ファルコ:俺がまだ、コールドスリープで眠りにつく前…つまり皇帝歴の頃、

人類は銀河を支配するほどにまで力が膨れ上がっていた。

この時、全ての星々は持ちうる全てのゴルバルで人類を瞬く間に滅ぼした。

俺はヴァルケリオンの全ての力を使って奴らを葬って全てが終わった…ハズだった。


イカルガ:ハズだった、とは?


ファルコ:この星にゴルバルがいる事だが…不自然な点がある。

コールドスリープで眠っていた俺でも宇宙の変化は

断片的とはいえ感じていたのだが、

地球に存在する僅かな総人口から考えてもこれは明らかに異常だ。

本来ゴルバルは過剰なまでの力を持たなければ活動する事はない。


タスク:つまり、それは…


セイジ:人為的にゴルバルを操っている黒幕がいる、というわけか。


ファルコ:まぁ、その黒幕を既に突き止めて行動している者もいるようだね。

あとは?


イカルガ:次に、あなたのヴァルケリオンは何処にあるのですか?


ファルコ:過去の戦いで全ての力を使った反動で機能を停止したが、

今は本来の半分ぐらいの力までには回復しているはずだ。

それでも通常空間に干渉するとなると星そのものを壊しかねないんで

こことは別の空間に待機させてある。


タスク:どおりで…いくら宇宙を観測していても見つからないワケだ。


セイジ:創造と破壊を司る、最強の機神…ヴァルケリオン。

この男の意思一つで僕達の運命が決まる。


ファルコ:さて、俺からも少し聞かせてもらおうか?

お前たちの使うボルケリアと呼ばれる機体…

俺のヴァルケリオンを真似て作ったのか?


セイジ:それは違うが、ゴルバルのコアをあの機体には使っている。


ファルコ:どうも嫌な感覚だと思ったが…そういう事か。

しかし、あれのコアをよく確保したものだな。


タスク:確か、ゴルバルのコアはシャングリラが回収していたよな。


ファルコ:シャングリラ?


イカルガ:シャングリラ…アイランドXの最高意思決定機関。

私もシャングリラに関してはわからない事だらけで指令を出すだけで

詳しくは何とも…


ファルコ:警報?奴らか…


イカルガ:ゴルバルが来たの!?


セイジ:マーク・ゼラフィムを出します。タスク!


タスク:すぐに出る!


ファルコ:では、拝見させてもらおう…お前たちの戦いを。


タスク:…っ!慣れてはきたが…神経接続だけは痛い!


オペレーター:マーク・ゼラフィム発進位置へ、

発進タイミングをパイロットに譲渡します。


タスク:了解、マーク・ゼラフィム、出ます!


セイジ:今のタスクなら機体側の支配に耐えられるが…数が多すぎる!

あれを使うかもしれない…


イカルガ:使える武装は全て稼働させて!少しでも援護するのよ!


ファルコ:戦況は劣勢のようだな…だが、奴らの行動パターンが一定だ。

やはり洗脳してる黒幕が…。


セイジ:くっ…ダメか。できればやりたくなかったが、切り札を使うか。


イカルガ:セイジ?タスクのバックアップは?


セイジ:イカルガ司令…あなたを拘束します。


ファルコ:何をするつもりだ?


イカルガ:え、どういうことよ!?セイジ!!


セイジ:言葉の通りです…現時刻をもってイカルガ・メイを更迭、

ならびにアイランドXにおける全権限を剥奪、これより僕の指揮下とする。

アイランドXとの切り離しを開始、本艦はこれより敵部隊との艦隊戦に移行。

マーク・ゼラフィムを援護する。


オペレーター:うそ、戦艦の中にいたの!?

痛ッ!これは…わかる、なんとなく動かし方が


ファルコ:おぉ…この島にこんなカラクリがあったのか。


イカルガ:こんな…こんな事が!?私の…知らない…


セイジ:本艦の乗員全てに因子を適応させた。

改めて…僕がアーク・アイギスの艦長シドウ・セイジだ。

最大戦速!アーク・アイギス、発進!取り舵15、上昇角20、

ヴォルゲイザーの射線軸を取る!


オペレーター:テスラエンジン、エネルギー充填…主砲へ伝導!


タスク:何?アイランドXから戦艦だと!?セイジ?


セイジ:タスク、主砲を撃つ!こっちの射線上から退避しろ!


ファルコ:なかなかの指揮だ…艦隊戦を心得ているようだな。


セイジ:ヴォルゲイザー、撃てーッ!


オペレーター:主砲、直撃を確認!ですが致命傷ではありません!


セイジ:チッ…まだ、残るか。エネルギー再充填!


ファルコ:俺が出よう…奴をアーク・アイギスの直衛にまわせ。

前に出てやりたいことがある。


セイジ:何?だが、あなたの機体は…


ファルコ:そこは問題ない、機体を再構成させる。


タスク:ファルコを出すのか?…生体確認!?

生身で落下してるじゃないか!


ファルコ:慌てるな、敵に集中しろ…座標固定、招来!


イカルガ:な、あれが。


セイジ:伝説の…鎧神機。


ファルコ:そうだ…これこそが、…ヴァルケリオンだ。

位相領域、展開。リバイバル・スタート。


タスク:これは…ゴルバルが飲み込まれている!?


ファルコ:タスク、お前のマーク・ゼラフィムのデータも頂く。


セイジ:まさか、あらゆる物を同化する気か!?


ファルコ:形成終了。さて、ヴァルケリオン改め…デウス・ヴァルケリオン。

因果を…破壊する。

ほう、出力は前の3倍で安定しているな。いい仕上がりだ。


タスク:デウス・エクス・マキナ…それを体現しようというのか?危ない!


ファルコ:ほぅ、俺に向かって来るのか。だが無駄な事だ…

今の俺は未来の事象を操ることなど造作もない。

俺の視界に入った時点で、すでに負けているのだよ。


イカルガ:ス…スゴイ。


セイジ:こんなの…圧倒的じゃないか。なぜだ、何で敵が自己崩壊していくんだ!?


ファルコ:ゴルバルと言えど恐れを抱くのだな。

ならば俺がどんな存在か理解できるハズだ…。


イカルガ:あれだけいたゴルバルが一瞬で消えるなんて…。


タスク:しかし、どうやって?


ファルコ:単純な事だ。俺の視界に存在する未来を否定する。

それで消える…因果律を使った攻撃だよ。


セイジ:因果律…まさか、反転させたというのか…この男は。


タスク:セイジ、因果律って?


セイジ:因果律っていうのは簡単にいえば物事の一連の流れの事だ。

例えばパンチで攻撃すると、人間はケガをする。

この順序を逆転させると…何でもない人間がいきなりケガをしたという結果がおき、何故なら自分がパンチをしたからという原因が成立する。原因と結果の逆転…

それはこの世の物理法則を捻じ曲げた、

それこそ神のみが行使できる人智を超えた力だ。


ファルコ:珍しいな…因果律の知識を持つ人間がまだいたとは。


幹部:あの男が蘇ったか…それに、アーク・アイギスか。

急ぎ計画を進めるとしよう…やはりあちらに付くかファルコ・メイルス。

…アンチ・ボルケを目覚めさせよ。


ファルコ:しばらくは俺も同行しよう、俺の秘密も詳しく話さなければな。

さて、これからどう動く?


セイジ:アイランドXには…戻りません。

僕達は知る必要がある、そして全てを見ている場所に行かなければならない…月に。


ファルコ:納得だな。宇宙(そら)に上がることで得られる物もあるだろう。

どうにもシャングリラとかいう存在は胡散臭い。それに…あの女も。


セイジ:さて、イカルガ・メイ、あなたは…ある組織のスパイですね?


タスク:どういうことだ?セイジ、何で司令がスパイなんだよ?


イカルガ:…えぇ、そうよ。あなたの言う通り私はスパイよ。


タスク:え…何で…


イカルガ:でも、私は…


セイジ:わかっています。あなたが抵抗軍のスパイであると、

目的はボルケリアのデータとファルコが目的ですね?


イカルガ:そうよ。それで…私をどうして?


セイジ:詳しい事は後で聞かせてもらいますが…もし、あなたの中に生への執着と

贖罪の覚悟があるというのなら…マーク・ラファエルのパイロットに

なっていただきます。


To be continue…





















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