第86話 花粉症
花粉症の季節になった。
事務所でも、花粉症に悩む人達がティッシュを抱えクシャミをしながらウロウロしている。
なにしろ、会社は田んぼと杉林に囲まれているため、杉花粉の影響をまともに受けるのである。
「目ど鼻が かゆくて しょないんだず」と言いながら、鼻水をズルズルしている。
その様子を見て、子供の頃のガキ大将が鼻水垂らしている姿を思い出してしまった。
そう言えば、最近の子供は鼻水など垂らしていないが、私がガキの頃は大半の男子は鼻水を垂らしていたものだ。
鼻の穴から二本の鼻水が出たり入ったりしているうちに、少しずつ乾いてくるため粘りが出てくる。
その状態を続けていると、鼻汁の通り道に土手が出来てくる。
鼻汁が土手状になって固まったのである。
そうなると、鼻の下がむず痒くなってくるため袖で何度も拭くことになる。
だから、鼻水ガキの袖口はいつもテロテロと光り輝いていたのである。
ろくにおやつなど無かった頃なので、少ししょっぱい袖口を舐めては走り回ったものである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます