#26 今夜はずっと甘えていいよ☆
色々あった月曜日の放課後、3人で郵便局へ行き、昨日用意したチクリ資料を書留で各所へ発送した。
アキちゃんはもう安全だろうとのことで「あまり二人の邪魔しちゃ悪いから」と私たちに気を使って、早々に一人で帰って行った。
アキちゃんと別れた後、自宅まで送ってくれたタローくんを『ちょっとツラ貸せ』と強引に家に連れ込み、この日もウチに泊まらせることにした。
既に帰宅していたママは、タローくんが来たのをはしゃいで歓迎してくれていたけど、今日ばかりは早々に自分の部屋へ引っ込むことに。
部屋に入って二人きりになった途端、とうとう私は我慢できずに涙が零れてタローくんに抱きついた。
今日ココまで人前では強がって我慢していたけど、本当はずっと怖かったんだ。
怖くて悲しくて不安で心配で、もう感情が止まらなくなり、ギャン泣きした。
『えっぐ、なんで無茶するのよ。えっぐ、大怪我でもしたらどうするのよ・・・・・えっぐ』
「サナマリ心配かけてごめん。でも新田をちゃんと守ること出来たし、今日の見て今後新田にちょっかい掛けると俺たちにキツイ反撃されるっていう警告にはなったと思うからさ」
『わかってるよ、タローくんがそこまで考えてるだろうなって解ってても、目の前で殴られるの見たら凄く怖いんだよ!?』
「もう危ないことしないからさ、機嫌なおしてよ」
そう言って、抱き着く私の頭をそっと撫でてくれ、私も少し落ち着いた。
「あーオレ、サナマリに愛されてるナー、オレ幸せだナー、今日はサナマリにいっぱい甘えたいナー」
『もうばか、いいよ。今夜はずっと甘えていいよ☆』
こうしてその夜、他人には言えないような甘い時間を過ごし、二人で大人の階段を登りましたとさ。ぐふふ。
翌朝、アキちゃんに「ゆうべはお楽しみでしたね」と言われ『なぜかバレたし!?』と真っ赤な顔で思わず叫んでしまい、「ちょっとカマカケのつもりが予想を上回る大HITだった時、私はどうリアクションすれば・・・」と修行僧みたいな顔で言われちゃったよ。
そんな私たち二人を見て、親指立てて『ドンマイ!』と言うタローくんの笑顔はとても素敵で、男の余裕(ドーテイ卒業したから?)すら感じるものだった。
昨夜の余韻で恋人補正MAXだった私は、そんなタローくんに益々キュンキュンしてしまうのでした。
アキちゃん、「チッ!バカっプル今すぐ爆ぜろ」って小声で毒づくのはヤメテね。聞こえてるからね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます