#20 束の間の安息
その日は真田さんの家に泊まらせて貰うことになった。
私を心配した真田さんが「今日は一人にならないほうがいい」と言ってくれて、それに甘えることにした。
大森タローも泊まることになった。
それを聞いて男の子が泊まっても親とか大丈夫なの?って思ったけど、これまで何度も遊びに来ていて真田さんの親御さんとも仲が良いそうだ。
実際、真田さんのお母さんが帰宅して彼が来ていることを知ると、お母さんはとても楽しそうに彼とはしゃいでいた。
(大森タローが「ウチにも美人のおかーさんほしーなー。僕もサナママさん(真田さんのママ?)の子になりたいなー」と調子のいいこと言ってて、真田さんのお母さんも「マリとタローくん、交換してもらおうかしら」とか言ってるの聞いて、カルチャーショックを受けた)
翌日は土曜日で学校も休みということもあり、夜遅くまで3人で雑談した。
実は二人は付き合っていることも教えてもらった。
付き合うことになった切欠やそれまでの面白エピソードを話してくれた真田さんは、小声で
「今日のタローくん、新田さん見つけてからずっと新田さんのことリラックスさせようとしてたでしょ?そういうトコがタローくんの凄いトコ。私の方がベタ惚れなの」と、とても幸せそうな顔で教えてくれた。
他にも大森タローが、本当はスマホを持っているけど高校では持っていないことにしていたことも教えてくれた。
理由を聞いたら「スマホもってるとみんなLINE登録しろってしつけーじゃん。俺今までLINEやってなくても困ったことないし、やりたくないのにしつこくされてもウザいから、いっそのことスマホ持ってないことにしてた」とのことだった。
そう言いながらも「新田には教えといたほうがいいよな」と言って、番号とメールアドレスを教えてくれた。
私からも、以前空き教室で二人が話していたのを聞いてしまった話を告白した。
盗み聞きしてしまったことを謝罪した上で、でも「平気じゃないけど平気なフリするしかないじゃん」という言葉が今まで支えになっていたと感謝を伝えた。
そんな私の告白を聞いて、真田さんが「流石、私のタローくん」と言ってとても嬉しそうだったのが印象的だった。
あと、わたしも彼のことを『タローくん』って呼ぶことになった。
真田さんのことは『マリちゃん』と呼ぶことにした。
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2章終わりです。
次話から3章で、ラブコメに戻ります。
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