飯作り
米をぐつぐつ煮ていると、いい匂いがして来て、腹が減って鼻歌を歌いたくなっちまう。
鍋の蓋を少しばかり開けて覗き込むと、大きな匙で米と煮汁をちょいとばかりすくってみた、
米をちょいとつまむとどうやらひび割れている分、水の通りが早いらしくもう芯がなくなっていた。
男は米の飯のおこげが大好物だったが、米が食えるだけ満足として、
炒ろうと思っていた大根とくたびれた山菜を入れて煮溶かすことにした。
元は婆ぁへの餞別だ。
どろっとした重湯位くわしてもいいだろう。
ならせっかくのお味噌さんだ少しくらい使わしてもらって・・・。
味は落ちるが今味噌を溶かして、野菜に火が通るまでに婆ぁに重湯をくわしてやるか。
さっきの水を飲ませた椀に、味噌を溶かした重湯を入れて、男はご機嫌に老婆の元へ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます