零落 ‐こぼれておちる‐
あぁ認めたくはないけれど、自分はとても幸福だと思う。
あんなに青臭い気持ちを向けられて恋というものを知ってしまった。
彼の元に行くにも、きっと世間知らずで年の違う自分は稼ぎの少ない彼の重荷になるだろう。
彼にはどうになるにも期待すべき未来があるのだ。
これからあのお嬢さんか、若くて可愛いどこかの娘が彼に寄り添って、彼を支えていくに違いない。
少しばかり寂しいが、幸せな彼の未来を創造するととても楽しい。
きっと少しずつ出世して、いつか自分の所帯をもって、
優しい女房と彼似の子供達と幸せに暮らしていくのだろう。
遊女が一生の中でこんな子供みたいな恋をできるものと誰が思うだろう。
あぁ、神様。
いやしないと思っていたけれど、こんな幸福をくれてありがとう。
誰にも伝えられぬ恥ずかしい気持ちを持ってさぁ参ろう、苦しくて後悔するかもしれないが・・・。
きっとあの子を思えば幸せだろう。
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