日常が、上手くいかない

七星 テントウ

第1話 オトモダチ

 友達が急にLINEグループを抜けた。ベタベタ群れるの嫌いな人だったし、でも別に性格悪くもなかったからそんなに重く考えてない。

あー、取り敢えずもっかい招待しとこうぜ、くらいの気持ち。

 でもさあ、まさかこんな形で真実を知るとは。こういうのは、情報社会の良くない点かもしれない。

 学校終わって、その子が新しくツイートしてたから何気なく見た。見ちゃった。

 推測するに、私たちに対してのだろうね。LINE消したってツイート。消されるようなことしたっけ。気に触るようなことしたっけ?ベタベタしてたからか?

 他の皆は知ってんのかな。この話題に触れていいのかな。LINEグループの子と、明日普通に話せるんかな。

 自分の為の疑問が頭の中を回る。

 私そんなにしっかりしてないし、結構頭悪い言動あるからさ、イラッとされてることあるんだろうとは思ってたけどさ、それをこんな形で知ると思わないじゃん?

知らない方が良かったことって、ホントにあるんだね。

 明日、どうするかなぁ。気分重いわ。


 高校の最寄り駅で、中学からの友達で、LINEグループのメンバーでもある優李と合流する。

 歩いてる間に2人で話すのは、持久走が嫌だとか、課題が終わらないとか、本当に普通の話。

 ちゃんと楽しい。でも、本気で笑顔になれてる気がしない。

 バレてないよね。気分悪いの。気づかれたくない、心配されたくない、迷惑かけたくない。

 優李とはクラスは違うから、途中で別れて、自分の席に座る。

 窓から、忙しなく登校してる生徒がよく見える。

 まだ朝なのに怠いなぁ。これから6時間も授業すんのか。

あー、嫌だなぁ。

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